バイナンスへのハッキング、北朝鮮系「TraderTraitor」が8週間前から侵入か
概要
- 北朝鮮系組織のトレーダートレイターは、約63億ドル規模のバイナンスへのハッキングの約8週間前から内部システムにアクセスしていたとされた。
- SEALは、ほかの大規模な暗号資産ハッキングでも、数週間に及ぶ事前アクセスを伴う多段階侵入パターンが確認されたと明らかにした。
- バイナンスは、偽の採用面接で従業員の端末が感染し、認証情報が盗まれたことで取引所のウォレットインフラが侵害されたと説明した。
期間別予測トレンドレポート



北朝鮮系のハッカー集団「トレーダートレイター(TraderTraitor)」が、約63億ドル(約9940億円)規模のバイナンスへのハッキングの約8週間前から内部システムにアクセスしていたと推定されている。
暗号資産専門メディアのコインテレグラフが11月6日に伝えたところによると、非営利のサイバーセキュリティー団体シーキュリティー・アライアンス(SEAL)は報告書で、トレーダートレイターが10月29日のハッキング発生の約8週間前にあたる9月中に、バイナンスのシステムへ最初に侵入したとみられると指摘した。あわせて、脅威主体は初期侵入後、長期間にわたり高い秘匿性を保ったままシステムを探索できると説明した。
SEALは、トレーダートレイターが2026年に偽の採用キャンペーンに使った偽装企業を少なくとも4社確認した。
SEALは、ほかの大規模な暗号資産ハッキングでも同様の多段階侵入パターンが繰り返されていると分析した。約3億8800万ドル(約612億円)規模のビットゲットへのハッキングでは約6週間、レイヤーゼロの脆弱性を悪用した約2億9300万ドル(約462億円)規模のケルプダオへのハッキングでも約6週間、約2400万ドル(約38億円)規模のAFXへのハッキングでは約3週間の事前アクセス期間があったと推定した。
バイナンスは今回のハッキングについて、偽の採用面接を通じて従業員の端末がマルウエアに感染し、認証情報が盗まれた結果、取引所のウォレットインフラが侵害されたと説明した。攻撃キャンペーンは6月に始まったという。当時は別の従業員の端末が感染したが、バイナンスがこれを検知して端末を交換した。ただ、その時点で攻撃者はすでに内部チームの構成やウォレットインフラに関する情報を収集していたと明らかにした。
一方、米連邦捜査局(FBI)は今回の攻撃を北朝鮮系のトレーダートレイターによる犯行と特定した。北朝鮮の金正恩総書記の妹、金与正氏はこの主張を否定した。