サムスン電子・SKハイニックスに「ブルー津波」 データセンター規制懸念で半導体需要に逆風も
概要
- 米中間選挙後、データセンター規制への懸念が強まり、サムスン電子とSKハイニックスの株価は取引序盤の上昇分を失って小幅安で終えた。
- 証券界は、データセンター着工遅延の可能性があっても、メモリー供給不足とHBM生産拡大を背景に、メモリー平均販売価格と業績への期待はなお強いと伝えた。
- 今後は規制の強さ、ビッグテックのAI投資計画、長期金利・信用リスクの安定、外国人の買い越し転換が確認されれば、半導体大型株中心の反発余地があるとした。
期間別予測トレンドレポート


サムスン電子・SKハイニックス、11月4日序盤は上昇も小幅安で終了
データセンター規制で投資遅延懸念
証券界「メモリー供給不足で業績期待なお強い」

米中間選挙で民主党が勢いを示したことを受け、11月4日の韓国株式市場ではサムスン電子とSKハイニックスが序盤の上げ幅を失い、小幅安で取引を終えた。証券界では、民主党が上下両院を掌握すればデータセンター規制が強まり、半導体需要にもブレーキがかかりかねないとの懸念が投資心理を冷やしたとみている。
サムスン電子・SKハイニックス、取引時間中の上昇分を吐き出し下落で終了
韓国取引所によると、11月4日のサムスン電子は前営業日比1500ウォン(約180円、0.68%)安の21万8000ウォン(約2万5700円)で引けた。SKハイニックスは2000ウォン(約240円、0.14%)安の139万6000ウォン(約16万4700円)で取引を終えた。両銘柄とも取引序盤にはそれぞれ3%、5%台上昇したが、上げ幅をすべて失った。KOSPIは35.01ポイント(0.62%)高の5683.80で引けた。
取引序盤の買いを支えたのは、米半導体・人工知能(AI)サーバー企業の業績期待だ。前日のフィラデルフィア半導体株指数は2.63%上昇した。これに続き、AMDは引け後に市場予想を上回る約170億ドル(約2兆6900億円)の10〜12月期売上高見通しを示した。スーパー・マイクロ・コンピューターも通期売上高見通しを引き上げ、AIサーバー需要への期待を支えた。
ただ、中間選挙の開票が進むにつれて地合いは変わった。米主要テレビ局が民主党の上下両院多数派確保を相次いで予測し、データセンターの許認可や送電網コスト負担を巡る規制懸念が浮上したためだ。イ・ギョンミン大信証券研究員は、民主党勝利の可能性が意識されるなか、AIデータセンター規制強化や建設鈍化への懸念が広がり、投資心理が萎縮したと説明した。
データセンター規制懸念、投資規模より「執行速度」が焦点
規制論議の背景には、データセンターが大量の電力と用水を消費し、電気料金上昇を招くことへの住民の反発がある。送電網拡充コストを開発企業に負担させたり、許認可要件を厳格化したりすれば、建設費は増え、事業日程も遅れる可能性がある。
ソ・サンヨン未来アセット証券研究員は、民主党が議会を掌握すれば、データセンター向け送電網拡充費用を一般消費者ではなく開発企業に負担させる政策論議が強まる可能性があると予想した。
データセンター建設の遅れは、サーバー向け半導体需要にも影響しうる。完工時期が後ずれすれば、高帯域幅メモリー(HBM)などの発注が先送りされる。電力確保コストが膨らめば、サーバーやメモリーの購入規模が縮む恐れもある。
もっとも、選挙結果が直ちに規制実施を意味するわけではない。ソ研究員は、実際の立法と施行には両院協議や大統領署名、州ごとの電力規制当局による後続措置が必要だと指摘した。開発企業への即時の費用負担義務化が確定したわけでもないとし、AI投資全体が縮むというより、新規プロジェクトの費用構造や投資日程に影響する方向で進む公算が大きいと語った。
「着工遅延と発注取り消しは別」 メモリー供給不足は続く見通し
民主党優勢そのものは事前に織り込まれていたシナリオであり、株価反応は過度だとの指摘もある。イ・ジェウォン・ユアンタ証券研究員は、民主党の上下両院奪還は選挙前から60%以上の確率で織り込まれていたシナリオだとして、新たな悪材料と評価するのは難しいと述べた。
データセンターの着工が遅れても、メモリー需要が反転すると断定するのは早いという見方もある。
イ研究員は、規制強化に伴う着工遅延と、実際のサーバーやメモリー発注取り消しは切り分ける必要があると指摘した。長期供給契約の拡大と限定的なメモリー生産能力を踏まえると、一部プロジェクトの執行遅延だけでメモリー平均販売価格の下落を見込む根拠は乏しいと分析した。
証券界は、メモリー供給不足を背景とする業績改善期待を維持した。KB証券は11月4日、サムスン電子とSKハイニックスの10〜12月期合算営業利益を232兆ウォン(約27兆4000億円)と予想した。HBM生産が増えることで、汎用メモリーの供給は一段と逼迫するとみている。
キム・ドンウォンKB証券研究員は、足元のサムスン電子とSKハイニックスのメモリー在庫は10日分未満の状態だとしたうえで、来年はHBM生産比率の拡大が汎用メモリーの供給崖を招き、供給不足がさらに深刻化するとの見通しを示した。
今後の反発条件としては、規制の強さとビッグテックの投資計画が挙がった。ソ研究員は、実際に可決される規制案の範囲が限定的で、ビッグテックのAI投資計画にも大きな変化がないことが確認されれば、足元で急落した半導体株を中心に反発するとの見方を示した。
イ研究員も、選挙を巡る不透明感の後退後に長期金利や信用リスクの安定、外国人投資家の買い越し転換が確認されれば、半導体大型株中心の回復期待はなお有効だと付け加えた。
キム・ヨンジ 韓経ドットコム記者 kongzi@hankyung.com
Korea Economic Daily
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