米PPIショックでも10年債利回り低下
概要
- 米国の9月CPI、PPIは予想を上回ったが、10年物国債利回りは発表後にむしろ低下した。
- 市場では11月の政策金利引き上げの可能性は低いものの、12月の政策金利引き上げとその後の追加利上げまで視野に入れている。
- 米ハイテク株の急落とAI成長鈍化への懸念を背景に、安全資産である米国債に資金が流入し、国債利回りの低下要因になっている。
期間別予測トレンドレポート


AIピークアウト懸念で技術株売り
安全資産の米国債に資金流入
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米国の9月の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)は市場予想を大きく上回ったが、10年物米国債利回りは発表後にむしろ低下した。
10月16日午後4時時点で、米10年物国債利回りは年5.08%近辺で推移した。10月14日までは年5.3%を大きく上回っていたが、米国の9月CPIとPPIの公表後に大きく低下した。通常、物価上昇で政策金利の引き上げ懸念が強まると、短期金利と長期金利はそろって上昇する。追加利上げの可能性を織り込み、投資家が国債を売るためだ。
「消費者物価の先行指標」とされる米国の9月PPIは、前年同月比6.3%上昇した。2022年12月以降で最も高い水準だ。エネルギーと食品を除くコアPPIの上昇率は0.7%となり、市場予想の0.3%を大きく上回った。前日に発表されたコアCPIも前年同月比2.6%上昇し、物価上昇が想定より長引くとの懸念が広がった。
CNBCによると、ウォール街がCPIとPPIの数値をもとに集計した9月のコア個人消費支出(PCE)物価指数の上昇率予想の平均は0.32%に達した。8月の0.25%から大きく上昇した。KB証券のイ・ウンテク研究員は「来年4〜6月ごろから米国の物価が安定に向かうという従来の市場期待が揺らいでいる」と語った。
米連邦準備理事会(FRB)が11月の中間選挙を控え、10月に政策金利を引き上げる可能性は低い。ただ、市場は12月の利上げを見込んでいる。キウム証券のアン・イェハ研究員は「12月以降の追加利上げの可能性も視野に入れるべき局面だ」と指摘した。
こうした局面でも米国債利回りが低下している理由として、専門家は安全資産選好と技術産業の成長鈍化への懸念を挙げる。足元では米ハイテク株が急落し、主要ハイテク株の時価総額は1週間で1兆ドル超失われた。1兆ドルは約158兆円にあたる。投資家が株式市場の変動を避けて国債に逃避し始め、安全資産としての米国債の魅力が改めて意識されている。
本質的には、人工知能(AI)産業の成長が持続するのかを巡る疑念が国債利回り低下の要因として作用している。アリアンツの首席経済顧問を務めるモハメド・エルエリアン氏は「名目金利が数年ぶりの高水準に達したうえ、脆弱な部門で信用不安が表面化し、安全資産を追う動きが強まっている」と述べた。さらに「特に米国経済成長の二大エンジンの一つであるテック部門が堅調な成長を維持できるのかを巡る懸念が大きい」と付け加えた。
シム・ソンミ記者 smshim@hankyung.com
Korea Economic Daily
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