概要
- 超富裕層は サムスン電子、SKハイニックス など上半期の主導株を1兆6000億ウォン(約1870億円)売り越し、利益確定と 現金比率 の引き上げに動いた。
- これらの投資家は、配当妙味の高い 優先株 と毎月分配型の カバードコールETF を集中的に買い入れ、変動の大きい相場で インカム資産 を軸に収益を防衛する戦略を取った。
- 30億ウォン以上の資産家は、レバレッジETF と 業績改善期待銘柄 を同時に組み入れる「バーベル戦略」で、10〜12月期の 市場の不確実性 と反発の可能性に備えた。
期間別予測トレンドレポート


サムスン電子・SKハイニックスを1兆6000億ウォン売って利益確定
「毎月分配金」のカバードコールETFも買い増し

韓国の超富裕層が2026年7〜9月期に、半導体2強のサムスン電子とSKハイニックスの株式を計1兆6000億ウォン(約1870億円)ほど売却していたことが分かった。10〜12月期の不透明感に備え、短期間で急騰した主力株を売る一方、配当妙味の高い優先株と、反発局面で2倍の収益を狙うレバレッジ商品を同時に組み入れる「極端なバーベル戦略」で資産配分を調整した。
10月4日付の韓国経済新聞が、サムスン証券、未来アセット証券、韓国投資証券の3社に口座を持つ超富裕層の2026年7〜9月期のポートフォリオを分析したところ、最も多く売り越していた国内株はサムスン電子とSKハイニックスだった。金融資産10億ウォン(約1億1700万円)以上の顧客ベースでみると、純売却額はそれぞれ8648億ウォン(約1010億円)、7189億ウォン(約841億円)にのぼった。高値警戒感に加え、人工知能(AI)バブル論で株価の変動が大きくなり、リスク管理を強めたとみられる。
一方で、安定配当を期待できる優先株や、毎月分配金を受け取れるカバードコール型の上場投資信託(ETF)を大きく買い進めた。金融資産30億ウォン(約3億5100万円)以上の超富裕層は安全資産にとどまらず、高リスク商品の比率も同時に引き上げた。KOSPI200指数や半導体セクターの騰落率を2倍で追うレバレッジETFを重点的に組み入れた。
海外株ではスペースXやバーティブ・ホールディングス(Vertiv Holdings)など、AI向け電力インフラ関連銘柄を大きく買い増し、10〜12月期の相場に備えた。

資産家、サムスン電子・SKハイニックスを売ってカバードコールを購入
超富裕層のポートフォリオ分析、防衛・食品など上半期の主導株を整理
2026年7〜9月期の韓国株式市場は、乱高下のあとも方向感を欠き、もみ合い圏から抜け出せずにいる。数十億ウォン単位の資金を運用する資産家はどう動いたのか。2026年7〜9月期の国内株ポートフォリオは、資産規模によって色合いが分かれた。共通していたのは、値上がり益よりインカム資産を重視した点だ。金融資産10億〜30億ウォン(約1億1700万円〜約3億5100万円)未満の層はカバードコールETFを選び、30億ウォン以上の超富裕層は優先株を選好した。
半導体2強を最も大きく圧縮
10月4日付の韓国経済新聞が、韓国の大手証券3社で金融資産10億ウォン以上を運用する超富裕層のポートフォリオを分析した結果、2026年7〜9月期の韓国株相場をけん引したサムスン電子とSKハイニックスの売却が最も目立った。3社合算では、サムスン電子を8648億ウォン(約1010億円)、SKハイニックスを7162億ウォン(約838億円)それぞれ純売却した。2銘柄だけで1兆5000億ウォン(約1760億円)超の純売りとなった。
利益確定が目立った別の銘柄は、政府の「バリューアップ(企業価値向上)プログラム」を追い風に上場来高値を更新したメリッツ金融持ち株だった。30億ウォン以上の資産家層は1128億ウォン(約132億円)を純売却した。上昇が続いていた韓国防衛産業の主力株も利益確定の対象になった。10億〜30億ウォン未満の層はハンファ・エアロスペースを211億ウォン(約24億7000万円)売却し、30億ウォン以上の層はLIGネクスワンを348億ウォン(約40億7000万円)純売却した。アルテオジェン(279億ウォン、約32億6000万円)や三養食品(269億ウォン、約31億5000万円)も売り越した。
ある証券会社のプライベートバンカー(PB)は「資産家は特定セクターの長期成長性を見ているが、テンバガー(10倍株)を達成したり、市場の関心が極度に高まってバリュエーション負担が大きくなったりすると、素早く利益確定に動く」と話す。そのうえで「半導体、バリューアップ、防衛、食品など上半期の主導株を売り、10〜12月期の不透明感に備えて現金比率を高めた」と説明した。
優先株・カバードコールETFで収益を防衛
その代わりにポートフォリオに加えたのが、配当妙味の高い優先株とカバードコールETFだ。金融資産10億〜30億ウォン未満の資産家は主にカバードコールETFを買い入れた。「KODEX 200カバードコール・アクティブ」は618億ウォン(約72億3000万円)で純買い3位、「TIGER配当カバードコール・アクティブ」は474億ウォン(約55億5000万円)で4位に入った。原資産が下落した際も、オプション売却プレミアムで損失を一部抑えつつ、毎月分配金を受け取れる商品だ。相場の方向感を見極めにくい横ばい局面で、安定したキャッシュフローを確保する狙いといえる。
30億ウォン以上の資産家はサムスン電子優先株を3191億ウォン(約373億円)買い入れ、純買い首位となった。サムスン電子の普通株は7500億ウォン(約878億円)超を売却する一方で、優先株を集中的に組み入れた。普通株より価格が低く、配当利回りが高い点に着目した動きとみられる。足元の株価下落で時価配当利回りが年3%前後まで上昇したことも、投資妙味を高めた。
KOSPI指数がもみ合い圏にとどまるなかでも、レバレッジETFへの純買いは目立った。サムスン電子とSKハイニックスを大きく整理した30億ウォン以上の資産家は、「KODEXレバレッジ」を940億ウォン(約110億円)、「TIGER SKハイニックス単一銘柄レバレッジ」を884億ウォン(約103億円)、「KODEX SKハイニックス単一銘柄レバレッジ」を703億ウォン(約82億3000万円)それぞれ買い入れた。合計では2500億ウォン(約292億円)超にのぼる。短期的な株価調整を、レバレッジ商品の比率を高める機会と捉えたようだ。
サムスン証券のパク・ジニョンPBは「10〜12月期に原油高や金利上昇、米国の中間選挙など市場の不透明感が続く局面で、一般投資家が様子見に傾くのとは対照的に、超富裕層は優先株、カバードコール商品、レバレッジETFを併せ持つ『バーベル戦略』で対応した」と語った。
資産家はこのほか、上半期のAIラリーで出遅れた部品株のサムスン電機を1911億ウォン(約224億円)、セルトリオンを1050億ウォン(約123億円)それぞれ買い入れるなど、業績改善が見込める銘柄も積極的に組み入れた。
アン・サンミ 韓国経済新聞記者 saramin@hankyung.com
Korea Economic Daily
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