概要
- フィデリティは、ビットコイン(BTC)の4年周期と変動性の拡大、規制環境の変化、機関投資家の採用動向を10〜12月期の重要変数に挙げた。
- フィデリティは、ビットコインの底が11月前後に形成される可能性がある一方、すでに7月に通過した可能性や、11月以降に安値をさらに切り下げる可能性もあるとして、弱気相場の終了判断は時期尚早だと伝えた。
- フィデリティは、規制の明確化、金融政策の変化、機関投資家の採用加速が今後の上昇相場の触媒になり得るとし、10〜12月期の価格動向、政策の進展、採用指標をあわせて確認する必要があるとした。
期間別予測トレンドレポート



フィデリティは2026年10〜12月期の暗号資産市場の主な変数として、ビットコイン(BTC)の4年周期、変動性の拡大、規制環境の変化、機関投資家の採用動向を挙げた。足元では急反発を受けて弱気相場の終了期待が強まっているが、底値を確定するのはなお早いとの見方を示した。
このほど公表した10〜12月期の暗号資産市場見通しでは、ビットコインが過去およそ4年ごとに強気相場の高値と弱気相場の安値をつけてきた点に注目した。この流れが繰り返されれば、2022年11月以降の次の主要な安値は2026年11月前後になる可能性があると説明した。
もっとも、4年周期を単純に市場のタイミング指標として当てはめるべきではないとくぎを刺した。最近の反発を踏まえると、すでに7月に底を通過した可能性がある一方、11月以降に再び安値を切り下げる可能性も残るという。
最近の値動きは、底値接近論を後押しする材料と位置づけた。ビットコインは8月第3週だけで25%超上昇した。同じ期間にイーサリアム(ETH)は34.1%、ソラナ(SOL)は28%それぞれ上げた。
フィデリティは特に、6月から8月中旬まで低水準だった変動性の後に、価格が上方向に大きく拡大した点を取り上げた。過去のビットコイン弱気相場でも、売り圧力が枯渇した後に低変動の局面を経て、上昇方向の変動性が拡大する流れがみられたと指摘した。
悪材料に対する市場の反応が以前より鈍くなった点にも注目した。ハードウエアウォレットのセキュリティー事故や、米国の暗号資産市場構造法案であるクラリティ法(CLARITY Act)の審議遅延があっても、価格は追加で下落しなかった。このため、売り圧力は相当程度弱まっている可能性があると分析した。
市場のファンダメンタルズは、価格動向より底堅いとみている。ここ数カ月は暗号資産全体の時価総額が弱含む一方で、ステーブルコイン取引や実物資産トークン化(RWA)など主要な採用指標は成長を続けたと説明した。
フィデリティ・デジタル・アセッツのリサーチ部門バイスプレジデント、クリス・カイパー氏は「採用指標はデジタル資産ネットワークのファンダメンタルズとみなせる」と述べた。そのうえで「価格が追随しない局面でも、ネットワークの利用度が維持されるか拡大している点が重要だ」と強調した。
10〜12月期は政策面も重要な変数になる見通しだ。米国ではクラリティ法が上院審議を控える。米証券取引委員会(SEC)も、初期段階の暗号資産発行に対する証券登録免除の要件などを盛り込んだ新たな規制枠組みを提案している。
フィデリティは、規制の明確化や金融政策の変化、機関投資家の採用加速が今後の上昇相場の触媒になり得るとみる。ただ、最近の反発だけで弱気相場の終了を断定するのではなく、10〜12月期の価格動向と政策の進展、採用指標をあわせて見極める必要があると付け加えた。