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米財務省の買い戻し拡大効かず 30年債利回りが再び上昇

Korea Economic Daily

概要

  • 米財務省のバイバック(買い戻し)拡大にもかかわらず、米30年国債利回りは1日で反発し、構造的な金利上昇圧力がなお強いと伝えた。
  • 低金利期に発行した米国債約8兆5000億ドル(約1350兆円)が従来より2ポイント高い金利で借り換えられ、年間の利払い負担1700億ドル(約27兆円)増加が避けられないとした。
  • 短期債の比率拡大に加え、海外中銀の需要減少ヘッジファンド・ステーブルコイン発行体中心への需要シフトにより、米国債の安全資産としての性格が薄れ、追加報酬(金利)を求める動きが強まっていると伝えた。

期間別予測トレンドレポート

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米財務省が国債のバイバック(買い戻し)拡大を発表して急低下した米長期国債利回りは、1日で下落分の大半を埋めた。対症療法では、米国債利回りの上昇を促す構造要因を和らげるには力不足との懸念が強い。米国債の流通を巡る環境が構造的に変わり、安全資産としての性格も薄れているとの指摘が出ている。

米国債利回り、1日で反発

8月20日に米セントルイス連銀の経済統計データベース「FRED」などによると、米30年国債利回りは同日の取引時間中に0.07ポイント上昇し、一時年5.27%をつけた。前日に米財務省が、バイバックの1回当たりの規模を20億ドル(約3180億円)から40億ドル(約6350億円)に増やすと発表する前とほぼ同じ水準だ。

発表直後には米30年国債利回りが年5.18%近辺まで低下する場面もあったが、わずか1日で下落分の大半を取り戻し、市場の地合いは反転した。これを受け、スコット・ベッセント米財務長官は同日、「使える政策手段は多いので見守る」と述べたうえで、「現在の国債利回りは経済のファンダメンタルズを適切に反映していない」と指摘し、追加介入に含みを持たせた。さらに、今週か来週初めに、財政健全化に一段と重点を置く発表をする考えも示した。

市場では、米政府がどのような措置を打ち出しても短期的な処方にとどまるとの懸念がくすぶる。低金利期に発行した国債の満期が大量に到来しているためだ。米財務省によると、2026年から2028年に満期を迎える米固定利付国債は約8兆5000億ドル(約1350兆円)に達する見通しだ。

この大半は、従来より2ポイント高い金利で借り換えられる見込みだ。米政府が追加で借り入れを増やさなくても、年間の利払い負担は約1700億ドル(約27兆円)増える。世界金融危機後に続いた低金利局面が新型コロナウイルス禍後に反転し、その金利ショックが米国債にも及んでいる。

短期債拡大も裏目

こうしたなか、米政府は国債の平均年限の短縮を進めている。短期債は長期債より発行金利が低く、利払い負担を抑えられるためだ。今回のバイバックでも、米財務省は既存の長期債を中短期債に振り替える方針を示した。

残存1年未満の短期債が占める比率は、昨年に米政府が新規発行した国債の84%に達した。家計がカード代金を賄うため、現金サービスを繰り返し利用するような借り換えに近い。

目先の利払いは軽くなる半面、将来の金利リスクはむしろ大きくなる。30年債なら利息は30年間固定されるが、3カ月物や1年物は満期のたびに、その時点の市場金利を反映して借り換えなければならない。名目上は固定利付債でも、実態は金利が繰り返し見直される変動金利負債に近づく。物価ショックや戦争、中央銀行の政策変更は直ちに国債発行コストを押し上げる。その分、国債利回り全体の変動性が高まり、安全資産としての色合いは薄れる。

米国債を買い集めてきた大口投資家の顔ぶれの変化も、構造的な金利上昇要因になっている。世界金融危機後は、海外の中央銀行や政府系投資家が米国債の中核的な買い手だった。だが最近は需要が細っている。ニューヨーク連銀の保護預かり口座で保有する海外公的機関の米国債は、2021年の約3兆ドル(約477兆円)から2025年末には約2兆7000億ドル(約429兆円)へ減った。米国の6月の外国人による米国債純購入額は68億ドル(約1080億円)で、5月の566億ドル(約8兆9900億円)から88%減少した。

一方、ヘッジファンドやテザーなどステーブルコイン発行体が、米国債の主要な買い手として浮上している。ただ、こうした主体は短期債需要の支えにはなっても、10〜30年物の供給を引き受けてきた海外中銀の代わりにはなりにくい。

こうした変化を踏まえると、米国債という資産そのものの性格が変わりつつある。従来、米国債は安全資産とみなされ、投資家はほかの金融商品より利回りが低くても進んで買ってきた。だが最近は国債発行額が大きく膨らみ、投資家が追加の報酬、つまり上乗せ金利を求める傾向が鮮明になっているためだ。マサチューセッツ工科大学(MIT)のリカルド・カバレロ教授は「2015年以降の米国債利回り上昇2.5ポイントのうち、0.75ポイント程度は投資家の追加報酬要求によるものだ」と分析した。そのうえで「米国債投資では、安全資産の確保より収益追求の色彩が強まっている」と指摘した。

キム・ジュワン記者 kjwan@hankyung.com

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