SKハイニックス急騰、40兆ウォンの自社株買い・消却を好感 一時170万ウォン台回復、サムスン電子の還元策に注目
期間別予測トレンドレポート



SKハイニックスが過去最大級の株主還元策を打ち出し、株価が8月20日に10%超急騰した。国内外の証券各社は、同社が利益の持続性に自信を示したとして前向きに評価した。市場の関心は、株主還元策の発表を控えるサムスン電子に移っている。
8月21日の韓国取引所によると、SKハイニックスは8月20日、前日比19万1000ウォン高の169万1000ウォンで取引を終えた。上昇率は12.73%だった。取引時間中には一時、170万ウォン台を回復した。外国人投資家がSKハイニックス株を5393億ウォン(約615億円)買い越し、上昇を主導した。
米国債利回りが落ち着きを取り戻したことも追い風になった。利回り上昇は、米巨大テック企業による人工知能(AI)投資の持続性への懸念材料だった。こうしたなかで過去最大級の株主還元策が示され、投資家心理が一段と強気に傾いた。SKハイニックスはこれに先立つ8月19日、40兆ウォン(約4兆5640億円)規模の自社株を買い入れ、全量を消却すると発表した。取得期間は8月20日から11月19日まで。
韓国の上場企業による自社株消却としては最大規模となる。8月19日の終値である150万ウォンを基準にすると、発行済み株式数の約3.6%を取得できる計算だ。これを全量消却すれば、1株利益(EPS)は約3.8%上昇するとの分析もある。今回の発表では、2025〜2027年の累積フリーキャッシュフロー(FCF)に対する株主還元目標を、従来の「50%以内」から「50%以上」に引き上げた点も注目を集めた。
証券業界では、SKハイニックスの異例の株主還元策を好感する声が相次いだ。ハンファ投資証券のパク・ジュニョン研究員は「今年と来年のFCFがまだ確定していない段階で大規模な還元を先んじて決めたことは、今後の資金創出力と財務健全性目標の達成に対する自信を示すものだ」と述べた。そのうえで、会社は従来の50%を事実上の上限から下限へと位置付け直したとし、実際の株主還元規模は245兆ウォン(約27兆9540億円)を超える可能性も十分あると分析した。
AI主導のスーパーサイクルに乗るメモリー各社の利益がどこまで続くのかを巡る懐疑論を和らげる効果も大きいとの評価がある。サムスン証券のイ・ジョンウク研究員は「アーニングサプライズの局面は過ぎ、利益の持続性が問われる局面に入った」と指摘した。そのうえで「こうした状況では、株主還元は不可欠なイベントだ」と強調した。今後は株価の下値を支え、上昇余地を際立たせる材料になるとの見通しを示した。
英投資銀行バークレイズも8月20日付のリポートで、SKハイニックスの自社株買いを「強力なシグナル」と評価し、足元の株価は割安だと分析した。バークレイズのサイモン・コールズ研究員は「SKハイニックスは時価総額の約15%を株主に還元しても、今後数年にわたり生産能力を意味のある形で拡大し、新たな機会への投資も進められる」と述べた。設備投資を削らずに株主還元を拡大できる点を前向きに評価した。
市場の視線は、株主還元策の発表を控えるサムスン電子に向かっている。日本のキオクシア、米ナンドフラッシュ大手サンディスクに続き、SKハイニックスまで大規模な株主還元に踏み切ったことで、サムスン電子も同じ流れに加わるとの期待が高まっている。
関係業界によると、サムスン電子は8月中に150兆ウォン(約17兆1150億円)前後の株主還元策を打ち出す。韓国の上場企業として過去最大規模となる見通しだ。8月中に開く取締役会では、自社株買いと特別配当を柱とする株主還元案を決議する計画という。今年の株主還元規模は150兆ウォン前後とされる。市場の一部では最大200兆ウォン(約22兆8200億円)に達するとの観測もあったが、FCFの50%を株主に還元するという原則に沿って最終決定する方向だ。
KB証券リサーチ部門のキム・ドンウォン本部長は「サムスン電子が2024〜2026年の累積FCFの50%を株主に還元する政策を取れば、特別配当の規模は少なくとも100兆ウォン(約11兆4100億円)を上回ると推定される」と述べた。今後の大規模な株主還元は、サムスン電子の企業価値を押し上げるだけでなく、有価証券市場全体のバリュエーション見直しを促す強力な触媒になると強調した。
コ・ジョンサム 韓経ドットコム記者 jsk@hankyung.com
Korea Economic Daily
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