期間別予測トレンドレポート


米国の利上げ観測の後退を受け、ドル・ウォン相場が10カ月半ぶりに1300ウォン台へ下落した。市場では、米国とイランの協議長期化で一時は上昇圧力が意識されたものの、足元では米追加利上げ観測の後退に加え、輸出企業のドル売りが重なり、ドル安の流れを生んでいるとみている。

8月20日午前8時30分時点のソウル外国為替市場で、ドル・ウォン相場は1ドル=1389.0ウォン前後で推移している。前日の通常取引終値は前営業日比14.1ウォンのドル安・ウォン高となる1397.7ウォンだった。1400ウォンを下回ったのは2025年9月29日の1398.7ウォン以来で、約10カ月半ぶりとなる。
前日の取引時間中には1389.1ウォンまで下げた。夜間市場では米国債利回りの低下を受けたドル安も加わり、1385.4ウォンまで下落した。
足元のドル安は、米連邦準備理事会(FRB)が9月に政策金利を引き上げない可能性が高いとの見方を背景としている。主要6通貨に対するドルの強さを示すドル指数は前日、99台まで低下して100を割り込んだ。3カ月ぶりの低水準である。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のフェドウオッチによると、FF金利先物市場で織り込む9月の政策金利据え置き確率は67.2%となった。前日終値時点の63.9%から上昇した。
米財務省が9〜11月に満期を迎える10〜30年物の長期国債の買い戻しについて、規模を従来の最大20億ドルから最低40億ドル(約6340億円)に引き上げる方針を示したことも相場を押し下げた。市場はこれを、米財務省が長期金利の急騰をこれ以上放置しないとのシグナルと受け止めた。これを受けて長期金利は低下し、米国と主要国の金利差縮小を背景にユーロやポンドも上昇した。
輸出企業のドル売りも、ドル・ウォン相場の下落要因になった。
ウォン高が進んだことで、輸出企業にはウォン資金を確保するためのドル売りを出しやすい環境が整った。実際、前日もまとまったドル売りが相場下落を主導したとみられる。企業は通常、月末にドルを売るが、最近は保有ドルを随時売却している。
市場関係者は、当面はウォン高が続く可能性が高いとみる。外国人投資家の韓国株の純売りが和らいでいるうえ、半導体大手の株主還元に伴う為替需要も控えているためだ。
iM証券のパク・サンヒョン研究員は「買いと売りが交錯しているものの、外国人の韓国株純売りの勢いが弱まっている点が、上半期とは異なるドル需給環境づくりに寄与している」と指摘した。そのうえで「ウォン高が続けば、外国人資金の流入に追い風となる環境が整う」との見方を示した。
サムスン電子とSKハイニックスの大規模な株主還元策も、両社が保有するドルをウォンに換える需要につながる可能性がある。半導体市況の改善で現金創出力が高まるなか、株主還元に必要なウォン資金を確保するため保有ドルを売却すれば、外為市場でのドル供給は増える。
パク研究員は、両社が大規模な株主還元策を打ち出すとの期待が強く、保有外貨をウォンに換える可能性があると分析した。
8月19日にはSKハイニックスが40兆ウォン(約4兆5600億円)規模の自社株取得後の消却計画を発表した。8月末の法人税中間予納や、政府の3大メガプロジェクトに関連する投資財源の確保も、企業の為替取引を増やす要因として挙がっている。
ノ・ジョンドン 韓経ドットコム記者 dong2@hankyung.com
Korea Economic Daily
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