期間別予測トレンドレポート


国債金利発の「トリプル安」再来か 「7月のような暴落相場はない」

これまで米30年国債利回りは、株式市場で大きな関心事ではなかった。投資家は米連邦準備理事会(FRB)の利上げの有無や、ビッグテック、半導体企業の2026年4〜6月期決算、米国とイランの終戦交渉の行方に神経をとがらせてきた。だが足元で世界の株式市場がそろって急落し、2007年以来の高水準に上昇した米30年国債利回りが震源地として注目を集めている。韓国、日本、ドイツなど主要国でも金利が急騰し、各国の株価は下落した。
8月19日の韓国総合株価指数(KOSPI)は前日比5.80%安の6471.17で取引を終えた。取引開始直後から急落し、有価証券市場ではプログラム売り注文の効力を5分間停止する売りサイドカーが発動した。売りサイドカーの発動は8月6日以来、8営業日ぶりだった。
サムスン電子が7.82%安、SKハイニックスが9.75%安、SKスクエアが11.54%安となるなど、半導体の主力株がそろって急落した。8月18日に7000台を付けたKOSPIは再び6400台に押し戻された。コスダック指数も1.17%安の824.46で引けた。
相場下落の背景には米長期金利の上昇がある。前日の米30年国債利回りは一時5.33%まで上昇し、2007年以降で最も高い水準を付けた。米株式市場ではフィラデルフィア半導体株指数が4.98%下落するなど、半導体株を中心に投資家心理が大きく悪化した。シンハン投資証券のキム・ギベク研究員は、米国、日本、欧州で長期金利がそろって上昇し、成長株の割引率負担と設備投資への懸念が浮上したため、ハイテク株が軟調になったと指摘した。
この日のウォン相場は午後3時30分時点で前日比14.1ウォン高・ドル安の1ドル=1397.7ウォンを付けた。為替相場が1300ウォン台に下がったのは10カ月余りぶりだ。
7000台目前で崩落 韓国株の行方は
根本要因は米財政悪化 韓国株には米10年債の影響がより大きい
歴史的にみると、米中長期国債のうち韓国株に直接影響してきたのは10年債利回りだった。米金融引き締めの長期化懸念から10年債利回りが年5%を突破した2023年が代表例だ。当時は韓国株、債券、ウォン相場がそろって下落する「トリプル安」が起きた。KOSPIは2600台から2200台まで下げた。
もっとも、8月19日のKOSPIが6%近く急落した背景として、今回は異例にも30年債利回りが挙がっている。一般に30年債は10年債に比べて株式市場への影響が小さい。だが最近は、人工知能(AI)企業の株価動向を左右する資金調達コストへの直接的な懸念を強め、サムスン電子やSKハイニックスなど大型株を一斉に押し下げた。

金利ショックでエヌビディアも下落
8月19日のKOSPIは前日比5.80%安の6471.17で引けた。サムスン電子が7.82%安、SKハイニックスが9.75%安となり、主力株安が指数を押し下げた。SKスクエアは11.54%安、サムスン電機は3.68%安、現代自動車は4.83%安と、時価総額上位銘柄もそろって下げた。
最大の要因は主要国の国債利回りが連鎖的に上昇したことだ。前日の米30年国債利回りは一時5.33%台まで上昇し、2007年以来19年ぶりの高水準を付けた。引けにかけてやや低下し5.285%で終えたが、年初の4.8%台と比べればなお高い。米国発の長期金利上昇は日本、ドイツ、フランスにも波及した。これを受け、エヌビディアが2.34%安、マイクロン・テクノロジーが7.02%安となった。加えて、アジア市場の取引開始直前には、米ペンシルベニア州知事がAIデータセンター建設に環境面と地域社会の承認取得を義務付ける行政命令に署名し、AIデータセンター建設の遅れへの懸念も強まった。
専門家は長期国債利回り急騰の背景として3つを挙げる。直接の引き金は原油高だ。米国とイランの終戦交渉が不調に終わるなか、前日のホルムズ海峡で船舶が攻撃を受ける事件が起き、10月渡しの北海ブレント先物は2日連続で1バレル=90ドル(約1万4400円)を上回った。原油高がインフレを刺激し、FRBの利上げを促すとの懸念から長期債には売りが膨らんだ。さらに根本的な要因として米財政の悪化がある。米連邦政府債務は最近40兆ドル(約6380兆円)に達し、市場では長期債のリスクプレミアムが高まっている。
「先に調整したKOSPI、影響は限定的」
もう一つの核心はビッグテックによる社債発行だ。アマゾン、マイクロソフト、グーグル、メタ・プラットフォームズ、オラクルの5大ハイパースケーラーは、2026年上半期だけでAIデータセンター整備のため1590億ドル(約25兆4000億円)規模の社債を発行した。すでに2025年通年の発行額を上回った。
米国債の投資家が利回り6〜7%台の優良社債に資金を移すと、市場ではより高い国債利回りが求められる。米国債の最大保有国である日本が、自国の長期金利上昇の余波で米国債を売却する可能性も警戒材料だ。iM証券のパク・サンヒョン研究員は、日本国債利回りが一段と上昇すれば、2022年のリズ・トラス英首相時に起きた金利急騰のようなショックが現実化する可能性が高まったと語った。
では韓国株はどうか。証券業界では、長期国債利回りの上昇は明確な重荷だが、影響は限られるとみている。韓国株に直接影響する米10年国債利回りが8月18日時点で年4.706%と、なお年5%を下回っていることが根拠だ。7月の調整局面を経て、12カ月先予想PERはすでに十分低下しており、バリュエーション面の負担が小さいことも背景にある。
キウム証券のハン・ジヨン研究員は、2026年上半期に米30年国債利回りが年5%を上回っていた当時、KOSPIの予想PERは7倍台前半から半ばだったが、現在は5.6倍にとどまると説明した。そのうえで、基礎体力を踏まえれば相場の下値は堅いとの見通しを示した。
カン・ジンギュ/イ・ソナ/パク・ジュヨン記者 josep@hankyung.com
Korea Economic Daily
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