概要
- 米暗号資産市場構造のクラリティ法案は、ホワイトハウスによる倫理条項修正案の検討と利回りを巡る意見対立が重なり、上院での処理が不透明になった。
- ジョン・スーン上院多数党院内総務がクロージャー採決を申請しなければ、休会前の法案処理は事実上難しくなる可能性がある。
- ステーブルコインなど暗号資産商品の利回り付与条項と、超党派の倫理条項を巡る合意の成否が、クラリティ法案の休会前処理を左右する見通しだ。
期間別予測トレンドレポート



米暗号資産市場の制度設計を巡る「クラリティ法案(Clarity Act)」は、上院での扱いがなお不透明だ。ホワイトハウスが倫理条項の修正案を検討しているうえ、ステーブルコインの利回り付与を巡る意見の隔たりも重なり、休会前に審議入りのための手続き採決を実施できるか見通せない。
暗号資産番組「クリプト・アメリカ」の司会を務めるエレノア・テレット氏は8月6日、ホワイトハウスが共和党のトム・ティリス上院議員と民主党のルーベン・ガレゴ上院議員がまとめた超党派の倫理条項修正案を検討していると明らかにした。議会はホワイトハウスの回答、もしくは再修正案を待っているという。
焦点は、ジョン・スーン上院多数党院内総務が、クラリティ法案の審議開始に向けた手続き採決であるクロージャーを申請するかどうかにある。テレット氏は、与野党の双方がクロージャー採決の否決を警戒していると伝えた。否決されれば、1年近く続いた法案推進そのものが頓挫しかねないためだ。
一方、暗号資産業界や共和党内では、上院の休会前に法案審議を前進させるよう求める圧力も強まっている。足元の情勢では、スーン院内総務が8月6日夜までにクロージャーを申請しなければ、休会前の採決は事実上難しくなるとの見方がある。
ステーブルコインなど暗号資産商品の利回り付与を巡る規定も新たな変数として浮上した。一部の上院議員は関連条項の修正を求めており、最近の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)への寄稿をきっかけに、修正を求める声が強まっている。
テレット氏はこれに先立ち、暗号資産政策の関係者が奇妙な膠着状態に置かれていると指摘していた。そのうえで、ホワイトハウスがティリス、ガレゴ両議員による超党派の倫理条項案に本格的に関与し始めたと説明した。倫理条項と利回り規定で合意できるかどうかが、クラリティ法案を休会前に処理できるかを左右する。