ハードウエア財布に脆弱性、コインカイト製品のハッキングで1億3000万ドル被害
期間別予測トレンドレポート



ビットコイン(BTC)保管用のハードウエア財布でファームウエアの脆弱性が悪用され、約1億3000万ドル(約206億円)の被害が発生した。
ブルームバーグが8月6日に報じたところによると、カナダのハードウエア財布メーカー、コインカイト(Coinkite Inc.)の「コールドカード(Coldcard)」で、ファームウエアの脆弱性を突いたハッキング被害が起きた。
攻撃者は特定バージョンのファームウエアにあった不具合を悪用し、シードフレーズの乱数性が低下していた点を突いた。コールドカード本体に直接触れなくても、利用者の秘密鍵を推定してビットコインを盗み出していたことが分かった。
コインカイトは、人工知能(AI)を使って中核コードベースを検証したが、この脆弱性を事前に見つけられなかったと明らかにした。
被害者の一人で英国在住のティム・ラムは、約13万ドル(約2060万円)相当のビットコイン2BTCを失った。ラムは「すべてのセキュリティ手順を正しく踏んだと思っていたため、衝撃はなおさら大きかった」と語った。
米コロラド州でレストランを営むクリスチャン・マクルーアも、6年間かけて蓄えた約6000ドル(約95万円)相当のビットコインを盗まれた。マクルーアは「必要な対策はすべて講じたつもりだった。それでもこんなことが起きれば、裏切られたように感じるほかない」と話した。
今回の事案を受け、暗号資産の自己保管方式の安全性を巡る議論も広がっている。セキュリティ専門家のデービッド・シュベッドは、単に暗号資産に投資したい利用者にとっては、自己保管よりよい選択肢があり得ると指摘した。
一方、レジャーの製品セキュリティ責任者、バンサン・ブージョンは「今回の件はコールドストレージそのものの問題ではない」と反論した。そのうえで「暗号化が適切に実装されていれば、コールドストレージは依然として最も安全な方式だ」と強調した。
TRMラボ(TRM Labs)によると、2026年上半期の暗号資産ハッキング被害額は9億7200万ドル(約1540億円)と、前年同期の23億ドル(約3640億円)から減少した。ただ、ハッキング件数は207件と上半期ベースで過去最高を記録した。