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サムスン電子、四半期売上高・営業利益が過去最高 ADR上場は見送り

出典
Korea Economic Daily

期間別予測トレンドレポート

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サムスン電子は、人工知能(AI)向け半導体需要の拡大に備え、メモリー生産能力の最大70%を長期供給契約で確保する方針を進める。米テイラー第2工場の着工準備にも入る。高帯域幅メモリー(HBM)とサーバー向けDRAMの供給を増やす一方、2ナノメートル以下のファウンドリー生産能力も先行して積み増す構えだ。

スマートフォンやテレビ、家電などの完成品事業では部材コストの負担が続くとみて、AIやプレミアム製品、サービス事業を軸に採算を守る。米国預託証券(ADR)の上場については、現時点で検討していないとした。

ソウル市瑞草区のサムスン電子本社前で、サムスンの旗が風になびいている。写真:イ・ソル記者
ソウル市瑞草区のサムスン電子本社前で、サムスンの旗が風になびいている。写真:イ・ソル記者

サムスン電子は7月30日の2026年4〜6月期決算説明会で、「エージェンティックAIの普及加速に伴ってトークン消費量が爆発的に増えており、AIサーバーだけでなく汎用コンピューティングサーバーの需要もかつてなく拡大している」と説明した。

ただ、新規ファブの建設からウエハー生産までには3年半超を要する。このため2028年までに供給を大幅に増やすのは難しいとみており、2027年の供給不足は2026年より深刻になるとの認識を示した。

メモリー需給に関する質問には、「メモリー全体の生産能力(CAPA)の60〜70%の水準で長期供給契約(LTA)を計画している」と答えた。世界の主要データセンター顧客5社とはすでに契約を結び、AI需要に関連する大口顧客5社とも交渉を詰める段階にあるという。

こうした確定需要を土台に投資を機動的に執行し、過去より安定的で予見しやすい事業構造を築く方針も示した。

HBM4の供給も本格的に拡大する。2026年7〜9月期のHBM4売上高は前四半期比で3倍超に増える見通しで、2026年下半期にはHBM4売上高が同社のHBM全体売上高の60%を大きく上回ると見込む。下半期にはHBM市場でのシェアをDRAM全体の市場シェアに近い水準まで引き上げる目標も掲げた。

システムLSI事業では、次世代フラッグシップSoCの安定販売を進める。カスタムSoC分野の新規案件も開拓する。イメージセンサーの競争力を高めて用途を広げ、高性能ディスプレードライバーIC(DDI)や電源管理半導体事業も育成する。

ファウンドリー事業では、大手クラウドサービスプロバイダー(CSP)やAI・高性能計算(HPC)向け顧客から2ナノ案件を確保した。2026年の2ナノ受注案件数は2025年の2倍超に増える見通しだ。

増設計画については、「先端工程の生産能力増強ペースが需要に追いついていない」と説明したうえで、「テイラー第2工場は2030年の量産開始を目標に、2026年末の着工を準備している」と明らかにした。テイラー第1工場は2026年中の稼働準備を計画通り進め、その後に2ナノ生産能力を段階的に広げる。1.4ナノへの顧客の引き合いが増えていることから、追加ファブの確保も検討する。

2026年4〜6月期の設備投資は16兆8000億ウォン(約1兆9000億円)と、前四半期より5兆5000億ウォン(約6200億円)増えた。半導体事業を担うデバイスソリューション(DS)部門には15兆4000億ウォン(約1兆7400億円)、ディスプレーには7000億ウォン(約790億円)を投じた。メモリーでは平沢で新規インフラ投資を拡大した。ファウンドリーではテイラーファブの適時稼働に向けた投資を本格化した。サムスンディスプレーは7月から第8.6世代IT向けOLEDの新ラインを稼働し、IT市場でのOLED採用拡大と売上成長を狙う。

モバイルエクスペリエンス(MX)事業部は、2026年のスマートフォン出荷台数が減少しても、AI機能の普及とフォームファクター革新を追い風にプレミアム需要は維持されるとみる。売上高と平均販売価格(ASP)も上昇を見込む。これに合わせ、ギャラクシーZ Fold・Flip 8シリーズやギャラクシーS26シリーズなど旗艦機の販売を伸ばし、中核となるAI体験をギャラクシーAシリーズにも広げる。

年内には「インテリジェント・アイウエア」を発売し、新たなAIフォームファクター体験も打ち出す。ネットワーク事業は新規受注の確保と原価競争力の強化に注力する。

映像ディスプレー(VD)事業については、「テレビ完成品市場は停滞している一方、CTV広告サービス市場は成長が続いている」と指摘した。ビジョンAIに基づく体験と「Samsung TV Plus」のコンテンツを強化する。広告事業と基本ソフト(OS)ライセンスを拡大し、ハードウエア依存を引き下げる方針だ。

生活家電では、AI革新製品と高採算チャネルを拡充する。ハーマン(Harman)は最近2件の買収を通じて、先進運転支援システム(ADAS)とプレミアムオーディオ事業を強化した。サムスン電子との相乗効果を生かし、車内ITやAI体験を導入する。事業領域は自動運転分野にも広げる考えだ。

ADR上場の可能性を問われると、「現在は多様な事業ポートフォリオを背景に安定した現金創出力を確保しており、新規資金調達を目的とするADRの必要性は高くない」と述べた。あわせて「現時点ではADR発行を検討していない」と線を引いた。ただ、中長期の株主価値向上策の一つとしては可能性を残した。

サムスン電子は同日、2026年4〜6月期の連結売上高が171兆5000億ウォン(約19兆3000億円)、営業利益が89兆5000億ウォン(約10兆1000億円)だったと発表した。売上高、営業利益とも四半期ベースで過去最高となった。DS部門は売上高127兆5000億ウォン(約14兆4000億円)、営業利益89兆2000億ウォン(約10兆1000億円)を記録した。DX部門は売上高48兆ウォン(約5兆4100億円)、営業損失8000億ウォン(約900億円)だった。

キム・デヨン 韓経ドットコム(Hankyung.com)記者 kdy@hankyung.com

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