グーグル親会社、AI投資を拡大 半導体ピークアウト懸念後退
概要
- アルファベットは、AIインフラ需要を背景に2026年の設備投資見通しを引き上げたと明らかにした。
- 4〜6月期のフリーキャッシュフローは上場後初の赤字となったが、AIインフラ投資は止められないとの考えを示した。
- 市場では、アルファベットの積極投資で半導体ピークアウト懸念が和らぎ、サムスン電子やSKハイニックスなど半導体株に追い風となった。
期間別予測トレンドレポート


米グーグルの親会社アルファベットは、旺盛な人工知能(AI)需要を背景に設備投資をさらに積み増す方針を示した。半導体需要がピークアウトするとの警戒感はいったん後退している。

アルファベットは7月22日、2026年4〜6月期決算の発表後に開いた電話会見で、2026年通期の設備投資見通しを従来の1800億〜1900億ドルから1950億〜2050億ドルに引き上げたと明らかにした。
アナト・アシュケナージ最高財務責任者(CFO)は、2027年のAIインフラ投資は「かなり大きくなる」と語った。投資拡大を支えるのは、AIインフラを外部提供するクラウド事業の成長だ。4〜6月期のクラウド売上高は248億ドルと、前年同期比82%増えた。
アシュケナージCFOは、投資収益率が魅力的に見える限り投資を続ける考えも示した。アルファベットは赤字を受け入れてでも投資を増やしている。1〜3月期に101億2000万ドルだったフリーキャッシュフローは、4〜6月期に58億5000万ドルの赤字となった。フリーキャッシュフローがマイナスに転じたのは、2004年のナスダック上場後で初めてだ。
市場はアルファベットの資金繰りを警戒しつつも、半導体企業には追い風と受け止めた。7月23日の韓国株式市場でサムスン電子は3.65%高の27万ウォン(約2万9000円)、SKハイニックスは4.86%高の191万9000ウォン(約20万7000円)で引けた。

アルファベットCEO「1年前より状況改善」 AI投資に自信
アルファベット、上場後初のフリーキャッシュフロー赤字
「最も頼れる『現金自動販売機』でさえ、いまや稼ぐ額を上回って使っている」。ロイター通信は7月22日、アルファベットの4〜6月期フリーキャッシュフローが2004年のナスダック上場以来初めてマイナス59億ドルとなったことを、こう評した。フリーキャッシュフロー(FCF)は、本業で稼いだ営業キャッシュフローから、増設や設備維持などに必要な投資支出を差し引いた自由に使える現金を指す。
グーグルやユーチューブで稼ぐが
グーグルやユーチューブを抱えるアルファベットは、世界のオンライン広告市場で圧倒的な地位を築く。独占的な立場と高い営業力を背景に利益率も高く、四半期ごとに数十億〜数百億ドルの現金を安定的に稼いできた。
4〜6月期も収益は堅調だった。検索を含む事業部門の売上高は前年同期比17%増の945億ドルだった。ユーチューブ広告は13%、サブスクリプションとプラットフォームは15%それぞれ伸びた。全社売上高は1197億ドルと前年同期比24%増え、市場予想の1172億ドルも上回った。営業キャッシュフローも391億ドルと1年前に比べ41%増えた。
ただ、設備投資(CAPEX)はそれ以上のペースで膨らんだ。4〜6月期の設備投資額は449億ドルと、前年同期の2倍に急増した。大半はデータセンターなどAIインフラ向けだ。
AIインフラにさらに資金投下
フリーキャッシュフローが赤字に転落したことを、アルファベットも織り込んでいる。ただ、投資を止める選択肢はない。AIインフラ投資を通じて各事業の成長を一段と加速させる戦略を描くためだ。AIインフラからAIモデル、アプリまでを手がけるフルスタック企業として、市場での地位を守るにはより多くの計算資源が必要だと判断している。
スンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は同日、資源配分の最優先はAIモデル開発だと強調した。大規模言語モデル(LLM)の開発には、画像処理半導体(GPU)の調達とデータセンターの増設が欠かせない。GPUの代替を狙うテンソル処理装置(TPU)の開発にも資金がかかる。グーグルは前日に「Gemini 3.6 Flash」など3つのモデルを発表したが、先端モデルの競争力ではオープンAIやアンソロピックに後れを取っていると評価されている。
加えて、AIインフラそのものを貸し出す「グーグルクラウド」事業や、AIを活用したユーチューブ・検索広告の効率化にもインフラが要る。グーグルは、自前のインフラ整備が完了するまでの不足分について、ネビウスやコアウィーブなどGPU賃貸を手がける「ネオクラウド」の活用も検討していると明らかにした。
「1年前より状況は良い」
アルファベットの現金不足の表面化は、米巨大テック企業のAIインフラ投資意欲を象徴している。フューチャム・エクイティーズのチーフ市場ストラテジスト、シェイ・ボルアー氏は、巨大テック企業はこれまで投資を大きく上回るペースで売上高が増えるアセットライト型プラットフォームだったが、いまやデータセンターとAIインフラ投資に依存するハイブリッド型に変わりつつあると分析した。
巨大テックのAI競争が資金調達力を競う局面に移っていることも示す。グーグルは投資資金を確保するため、4〜6月期だけで普通株305億ドル、転換優先株191億ドルを発行した。社債でも248億ドルを調達した。
アシュケナージCFOは、まず営業活動で生み出した現金でどこまで賄えるかを見極め、その後に借り入れを検討したと説明した。手元資金を使い切ったうえで外部調達に踏み切ったという意味だ。ピチャイCEOは強気の姿勢を崩さない。「むしろ1年前より状況は改善しているように思う。自信を持って投資を進めている」と話した。
シリコンバレー=キム・インヨプ 韓国経済新聞特派員 inside@hankyung.com
Korea Economic Daily
hankyung@bloomingbit.ioThe Korea Economic Daily Global is a digital media where latest news on Korean companies, industries, and financial markets.