メモリー価格、7〜9月も上昇 Dラム13〜18%高・NAND10〜15%高も伸び鈍化
概要
- トレンドフォースは、2026年7〜9月期のDラム契約価格が13〜18%、NANDフラッシュが10〜15%上昇すると予測し、上昇幅は鈍るとした。
- AIサーバーとハイパースケールデータセンターの需要がメモリー供給を圧迫し、サーバーDラムなど企業向け市場は堅調だと分析した。
- PC・スマートフォン・SSDなど民生市場ではメモリー価格の負担が重くなり、製品価格の引き上げや出荷の圧迫要因になっていると指摘した。
期間別予測トレンドレポート



メモリー半導体の価格上昇は2026年7〜9月期も続く見通しだ。人工知能(AI)サーバーやハイパースケールデータセンター向け需要が、引き続き供給を圧迫しているためだ。ただ、PCやスマートフォンメーカーではコスト負担の吸収が難しくなっており、ここ数四半期のような急ピッチの値上がりは一服しそうだ。
トムズハードウェアが7月4日に報じたところによると、市場調査会社トレンドフォース(TrendForce)はリポートで、2026年7〜9月期の汎用Dラムの契約価格が前四半期比13〜18%上昇すると予測した。NANDフラッシュの契約価格も10〜15%上がる見通しだ。いずれも2桁の上昇は続くが、4〜6月期の約60%に及んだ急騰と比べると、上昇幅は縮小する可能性がある。
価格上昇の鈍化は、供給が十分になったためではない。トレンドフォースは、消費者向け電子機器メーカーが数カ月続いたメモリー価格の引き上げを、これ以上は吸収しにくくなっている点を主因に挙げた。メモリーの供給不足はなお続く一方、PCやスマートフォンなど最終消費市場では価格転嫁の余地が限界に近づいているという。
メモリー市場の中心がなおAIである構図に変わりはない。AI推論システムや大規模データセンター向け需要が、DラムとNANDの供給を引き締めている。メモリーメーカーも採算性の高いサーバー向け製品に生産能力を優先配分している。このため、PCやスマートフォン向け需要が鈍っても、民生向けメモリーの供給は潤沢になっていない。
市場は企業向けと民生向けで二極化している。サーバーDラムは2026年7〜9月期も供給不足が続く見通しだ。ただ、一部の数量が長期供給契約で押さえられているため、価格上昇ペースは緩やかになるとみられる。トレンドフォースは、中央演算処理装置(CPU)の供給改善を背景に、x86プロセッサーとRDIMMを基盤とするAIサーバーの構築が2027年まで堅調に続くとみている。
一方、民生市場の負担は重い。ノートPCメーカーは在庫補充を続けるものの、上昇したメモリーコストが製品価格に反映され始めた。トレンドフォースは、この流れが2026年の残り期間のPC出荷の重荷になると分析した。
スマートフォンメーカーも同様の圧力にさらされている。低消費電力DラムのLPDDR価格が高止まりしており、多くのメーカーが端末価格の引き上げを検討する可能性がある。同時に、消費需要が弱いため、生産計画にはこれまで以上に慎重に臨む公算が大きい。
ストレージ市場でも同じ傾向が出ている。PCメーカーは2026年上半期にクライアントSSDの在庫を相当積み上げた。このため、追加の値上げを受け入れる姿勢は弱まっている。供給各社も契約交渉で従来より柔軟に対応しており、SSD価格の上昇幅は抑えられる流れだ。これに対し、企業向けストレージはAIインフラ投資の恩恵を引き続き受けている。
グラフィックメモリーと小売り製品の市場は相対的に弱い。トレンドフォースは、エヌビディア(NVIDIA)のRTX PRO 6000 Blackwellが、なお期待ほどにはGDDR7需要を押し上げていないと指摘した。ノートPC出荷の不振もグラフィックメモリー需要を弱める要因に挙げた。USBフラッシュドライブやメモリーカードなどの小売り製品も、上流コストの上昇分を消費者に転嫁しにくく、低調な動きが続いている。
PC自作ユーザーにとって、当面の価格下落は期待しにくい。AIインフラがメモリー業界にとって最優先の供給先である以上、DラムとNANDの価格は引き続き上昇する可能性が高い。ただ、民生市場の負担が限界に近づくにつれ、値上がりのペースは従来より鈍る見通しだ。
キム・デヨン 韓経ドットコム記者 kdy@hankyung.com
Korea Economic Daily
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