フィデリティ「ビットコイン、5万8237ドルの長期支持線を試す局面」
期間別予測トレンドレポート



ビットコインが長期的な価格トレンド上の重要な支持線に接近している。明確な反発に転じるには、世界的な流動性の回復が必要だという見方を、暗号資産専門メディアのユートゥデイが7月3日に伝えた。
フィデリティ(Fidelity)のグローバル・マクロ責任者、ジュリアン・ティマー氏は、ビットコインが長期アルゴリズム支持線の近辺で重要な試練を迎えていると指摘した。
同氏は、投機的な短期資金がビットコインなど代替的な価値保存資産から流出し、高成長のテクノロジー株に向かっているとみる。ユートゥデイも「投機的な短期資金が代替的な価値保存手段から上昇基調のテック分野へ移っている」と伝えた。
ティマー氏は、ビットコインが歴史的な基準線に近づいている一方、現在のマクロ環境では力強い反発を促す材料に乏しいと分析した。
同氏が示した基準は、ビットコインのパワーロー・モデルだ。ビットコインの長期的な価格推移を対数チャートで示し、上限の抵抗線、中間のトレンド線、下限の支持線をあわせて表示する手法を指す。
足元のパワーロー・モデルの下限支持線は5万8237ドル近辺にある。ユートゥデイは「6万ドルはビットコインにとって心理面とテクニカル面の分岐点だ」と説明した。
過去にもビットコインは、主要な弱気相場の底値局面でこの長期支持線近辺まで下落した。2015年にはモデル上の支持線が252ドル近辺だったのに対し、実際の価格は230ドルまで下げた。2018年は支持線2521ドルに対し、3204ドルで安値を付けた。2022年には支持線1万5006ドルに近い1万6366ドルで底を付けた。
問題は、ビットコインが長期支持線に近づいたにもかかわらず、上昇プレミアムが大きく縮小した点にある。パワーロー・モデルでみたプレミアムは、ビットコインが構造的な下値ラインに対してどの程度高い価格で取引されているかを示す。過去の強気相場では急拡大したが、足元ではその大半が失われた状態だという。
ユートゥデイは「ビットコインを12万ドル超まで押し上げていた投機的プレミアムは消えた」と報じた。世界の通貨供給の増勢が鈍っていることも重荷に挙げた。
ティマー氏は、ビットコインが5万8237ドルの支持線近辺まで下落したものの、直ちに底入れするとの見方には慎重な姿勢を示した。ユートゥデイは「ビットコインは本格的な反転が現れるまで、この支持線近辺で長期間停滞する可能性がある」と分析した。
ビットコインは、マクロ環境が改善するまで長期支持線近辺で方向感を探る可能性がある。実際のトレンド転換は、世界的な流動性の回復とリスク資産への投資心理の改善が確認された後になりそうだ。