「製造より開発」へ転換するサムスン電子、従業員減でも人件費は45兆5000億ウォン(約5兆50億円)
期間別予測トレンドレポート


サムスン電子の人員構成が製造中心から開発中心へ移っている。海外従業員と製造職が減る一方、開発職は増えた。人件費は45兆ウォンを超えた。離職率は低下したが、中核人材の引き留めと組織活力の維持をどう両立するかが、人事労務運営の課題として浮上している。
7月3日に韓経ドットコムがサムスン電子の直近5年分の持続可能経営報告書を分析したところ、全従業員数は2021年末の26万6644人から2025年末には25万9149人に減った。7495人の減少となる。2023年は26万7860人、2024年は26万2647人で、減少傾向が続いた。
減少幅は海外で大きかった。海外従業員は2021年の15万5518人から2025年には13万4585人となり、2万933人減った。一方、韓国内の従業員は同じ期間に11万1126人から12万4564人へと1万3438人増えた。
職種別では変化がさらに鮮明だ。開発職は2021年の7万5218人から2025年には8万9150人へと1万3932人増えた。これに対し、製造職は同期間に2万299人減って10万2512人となった。営業・マーケティングは2万3257人から2万3711人で大きな変化はなかった。品質・環境安全は1万9457人から1万8524人へ小幅に減少した。

人員の増減だけをみると、生産人員を軸に量的拡大を図るよりも、高付加価値の職務を中心に組織を組み立てる流れがうかがえる。サムスン電子はAI半導体、ギャラクシーAI、スマートシングス基盤の家電といった技術中心の事業を育成しており、人事管理の軸足も必要な職種の人材確保と定着に移していると読める。
人員規模が縮小する間も、人件費は増え続けた。サムスン電子が従業員に配分した人件費は、2021年の34兆6000億ウォン(約3兆8060億円)から、2022年は37兆6000億ウォン(約4兆1360億円)、2023年は38兆ウォン(約4兆1800億円)、2024年は40兆5000億ウォン(約4兆4550億円)、2025年は45兆5000億ウォン(約5兆50億円)に増えた。5年間で10兆9000億ウォン(約1兆1990億円)膨らんだ計算だ。
人件費には、売上原価、販売費・一般管理費、研究開発費に含まれる給与、退職給付、福利厚生費が含まれる。単純な給与総額ではなく、成果報酬や福利厚生、退職給付など従業員関連費用を合算した数値だ。経済価値の分配に占める従業員の取り分も、2021年の13.9%から2025年は14.7%へ上がった。総人員は減ったが、開発人材の確保と報酬に伴う負担は重くなったとみられる。
離職率は低下した。サムスン電子全体の離職率は2021年が13.9%、2022年が12.9%、2023年が10.6%、2024年が10.1%、2025年が8.6%だった。人材流出の減少は、組織の安定性という面では前向きな変化といえる。
一方で、人員構成が中高年層や高技能人材に傾くほど、組織活力の維持や世代間の役割再設計が課題になる。2025年に51歳以上の従業員が占める比率は7.8%(2万327人)と、2年前に比べ1.5ポイント拡大した。中核人材を引き留めながら、新技術や事業環境の変化に応じて組織の柔軟性を確保することが求められる。
企業分析の研究機関の関係者は「サムスン電子の人事労務管理は、より少ない人員でより高い技術競争力を確保しつつ、従来より増えた報酬負担を管理し、組織活力の維持も考えなければならない。難度の高い方程式を解く局面にある」と指摘した。
キム・デヨン 韓経ドットコム記者 kdy@hankyung.com
Korea Economic Daily
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