タンジェム調査、暗号資産利用者の3人に2人がセルフカストディの重要性認識
概要
- 報告書は、暗号資産利用者の66%がセルフカストディを重要だと認識している一方、実際のコールドウォレット利用率は15%にとどまったと明らかにした。
- タンジェムは、2025年の売上高が約6000万ドルと前年から100%超増え、月間アクティブユーザー数(MAU)も50%増加し、セルフカストディの広がりが確認できたと説明した。
- コールドウォレット利用者の多くが売買、ステーブルコイン管理、オンチェーンアプリとの相互作用などに積極的に取り組んでおり、単なる長期保管手段との見方に反論した。
期間別予測トレンドレポート



暗号資産利用者の3人に2人が、セルフカストディの重要性を高く認識していることが分かった。コールドウォレットなどのハードウエアウォレットは、単なる暗号資産の保管手段を超え、オンチェーン分野の入り口へと進化している。
スイスのハードウエアウォレットメーカー、タンジェム(Tangem)は7月1日、消費者調査や戦略インサイトを手掛けるプロトコル・セオリー(Protocol Theory)に委託した報告書「保管から参加へ:アクティブ・セルフカストディの台頭」を公表した。18歳以上の米国の暗号資産利用者約3200人を対象にした調査を基に、セルフカストディの活用状況を分析した。
報告書は、セルフカストディが暗号資産の保管だけでなく、運用や支出までを含む手段へと広がっていると指摘した。利用者は秘密鍵の管理権を維持したまま、ウォレットを通じて資産や決済を管理し、分散型金融(DeFi)などのオンチェーンアプリとやり取りしているという。
タンジェムによると、こうした変化は自社の成長にも表れている。2025年の売上高は約6000万ドルと前年から100%超増えた。同期間の月間アクティブユーザー数(MAU)も50%増加した。利用者の需要は、暗号資産を保管するだけでなく、自ら管理し、運用し、活用する方向に広がっていると分析した。
報告書は、ハードウエアウォレットは長期保管向けとの従来の見方にも反論した。調査では、コールドウォレット利用者のうち、自らを「受け身の保有者」と答えた比率は9%にとどまった。一方、中央集権型取引所(CEX)利用者で同様に答えた比率は25%だった。
コールドウォレットの使い方も多様化している。利用者の77%は、ウォレット内で暗号資産を直接売買したり保有したりしていると答えた。46%はステーブルコインを積極的に管理していた。43%は複数のウォレットやブロックチェーンにまたがって資産を運用していた。41%は定期的に暗号資産決済を利用し、30%はWeb3アプリと連携してウォレットを使っていた。
もっとも、セルフカストディの重要性に対する認識と、実際のコールドウォレット採用率にはなお隔たりがある。調査では、暗号資産利用者の66%がセルフカストディは重要だと答えたが、実際のコールドウォレット利用率は15%にとどまった。主要取引所のハッキングを懸念すると答えた比率は46%だったが、それでも88%は中央集権型取引所に暗号資産を保管していた。
コールドウォレット採用を妨げる最大の要因は、「必要性を感じない」との回答で32%を占めた。コールドウォレットは大口保有者や長期保有者に必要だという認識も、主な要因に挙がった。コストを理由に挙げた比率は17%、複雑さを理由に挙げた比率は19%だった。
報告書は「コールドウォレットの需要そのものが障壁ではない」としたうえで、セルフカストディに関する教育と経験が今後の採用拡大の鍵になると指摘した。