ボタニクスが事業撤退、ビットコインDeFiの需要不足が浮き彫りに
概要
- ビットコインのレイヤー2プロジェクトボタニクスは、利用者需要の不足に加え、ネットワーク運営費を賄えるだけの手数料収入を確保できず、事業を終了したと明らかにした。
- 現在のビットコインDeFiの総預かり資産(TVL)は約41億2000万ドルで、ビットコインの時価総額や現物ETF、企業保有分と比べると小規模にとどまると伝えた。
- 業界では、機関投資家、安全性、差別化されたサービスという条件が満たされれば、ビットコインDeFiの需要は拡大し得るとの見方がある。
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ビットコイン基盤の分散型金融(DeFi)が次の成長分野として注目されてきたが、需要はなお限られているとの見方が出てきた。ビットコインのレイヤー2プロジェクト、ボタニクス(Botanix)が利用者不足を理由に事業を終了し、ビットコインDeFiの構造的な限界が改めて注目されている。
コインテレグラフによると、ボタニクスは約4年間の開発と1年間のメインネット運営を経て、利用者需要の不足を理由にサービスを終了した。メインネット運営期間中には約2500万件の取引と20万超のウォレットを確保し、数千万ドル規模のビットコインをブリッジしたが、ネットワーク運営費を賄えるだけの手数料収入は得られなかった。
ボタニクスは、利用者が高い利回りには関心を示した一方、ビットコインを担保資産として預けた後は長期保有にとどまったと分析した。融資や取引、資産移転が活発に行われず、持続可能な収益構造を築けなかったという。
共同創業者のウィレム・シュロエ(Willem Schroé)は「業界最高水準の利回りと、ビットコインに適したセキュリティーモデルを提供したが、利用者は依然としてイーサリアム基盤のラップド・ビットコイン(wBTC)を選んだ」と語った。差を分けたのは潤沢な流動性や使い勝手、長い運営実績だったと説明した。
ビットコインDeFi市場の規模もなお小さい。ディファイラマ(DefiLlama)によると、足元のビットコインDeFiの総預かり資産(TVL)は約41億2000万ドルだ。ビットコインの時価総額や現物上場投資信託(ETF)、企業保有分と比べると依然としてわずかな水準にとどまる。
実際の利用率も低い。ゴーマイニング(GoMining)が2025年にビットコイン保有者730人を対象に実施した調査では、回答者の77%がビットコインDeFiを利用したことがないと答えた。投資戦略の一部として活用しているとの回答は3%にとどまった。
ビットワイズ欧州のリサーチ責任者、アンドレ・ドラゴシュ(Andre Dragosch)は「ビットコインは価値保存手段であり、担保資産としては圧倒的な競争力を持つが、独自のDeFi実行レイヤーとしての需要は市場の期待を大きく下回った」と評した。
もっとも、業界では成長の可能性が完全に失われたわけではないとの見方もある。ルートストックラボ(RootstockLabs)の最高経営責任者(CEO)、ディエゴ・グティエレス・サルディバル(Diego Gutierrez Zaldivar)は「機関投資家が求める信頼性とリスク管理の枠組みが整えば、需要は十分に拡大し得る」と述べた。あわせて「数百BTCから数千BTC規模の機関資金の運用に関する問い合わせも続いている」と明らかにした。
チェーンウェイラボ(Chainway Labs)の共同創業者、オルクン・マヒル・クルチ(Orkun Mahir Kılıç)は「イーサリアムDeFiをそのままビットコインに移すだけでは利用者を獲得しにくい」と指摘した。機関投資家は安全性を求める一方、個人利用者は他では得られない新しいサービスがなければ動かないとも語った。
ボタニクスの事例は、ビットコインDeFiそのものの失敗というより、市場がなおビットコインを価値保存手段として捉えていることを示したケースといえる。ビットコインDeFiの普及には、イーサリアム生態系の単純な複製を超え、ビットコイン固有のユースケースと差別化されたサービスが必要だとの指摘が出ている。