概要
- 米下院歳入委員会は、早ければ6月5日に暗号資産課税法案を公表し、翌週前半に公聴会を開く予定だ。
- 法案パッケージには、ステーキング・マイニングの課税時期、特定のステーブルコイン取引に対するキャピタルゲイン課税免除、ウォッシュセール制限規定のデジタル資産への拡大適用などが盛り込まれるという。
- 今回の法案は、デジタル資産と既存証券の税制上の均衡や、セーフハーバー条項、キャピタルゲイン課税を発生させずに資産を一時移転する規定を含む。一方で、民主党の全面的な支持を得ているかは不透明だ。
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米議会で、暗号資産の課税制度を本格的に整備する動きが具体化してきた。
ブルームバーグによると、米下院で税制政策を担う歳入委員会は、早ければ6月5日に暗号資産課税法案を公表し、翌週前半に公聴会を開く予定だ。
暗号資産業界はこれまで、デジタル資産と伝統的な金融商品の税制上の公平性に加え、従来の金融商品には当てはめにくい暗号資産特有のケースについて、明確な指針を求めてきた。
下院歳入委員会は、デジタル資産の課税枠組みづくりを最優先課題として進めてきた。議員個人による法案提出はあったが、上下両院の税制委員会の指導部が主導して法案を打ち出すのは今回が初めてという。米財務省もこの過程に深く関与したとされる。
関係者によると、委員会は関連する論点に対応するため、計7本の法案を公表する予定だ。ブロックチェーンネットワークの運営を支えるためにトークンを預けて得るステーキング報酬や、マイニングで生じたトークンについて、どの時点で課税するかといった内容が含まれる。
委員会メンバーのケビン・ハーン共和党下院議員は、歳入委員会がステーキングとマイニングの課税方法と課税時期を扱うと説明した。特定のステーブルコイン取引を対象に、キャピタルゲイン課税を免除する案も検討しているという。
今回の法案パッケージは、デジタル資産と既存の証券との税制上の均衡を図ることに重点を置く。寄付の扱いに加え、外国人投資家が米国内の事業者として課税されることなく米国証券を取引できるようにするセーフハーバー条項を、デジタル資産にも適用する。キャピタルゲイン課税を発生させずに資産を一時的に移転できる規定も盛り込まれる。
とりわけ、投資家が証券を売却して損失を確定した後、30日以内に実質的に同一の資産を買い戻した場合、税務上の損失控除を認めない「ウォッシュセール制限規定」をデジタル資産にも広げる見通しだ。
もっとも、今回公表される法案群が民主党の全面的な支持を確保しているかどうかはなお不透明だ。下院税制小委員会の民主党筆頭委員を務めるマイク・トンプソン下院議員は、5月のラウンドテーブル直後に「法案を通過させるリスクと、通過させないリスクの両方を考えなければならない」と述べ、慎重な姿勢を示した。
一方、財務省の税務担当トップであるケネス・キース氏は5月、財務省が商務省とホワイトハウスとともに、下院歳入委員会による暗号資産税制の整備に向けて協力してきたと明らかにした。これとは別に、米上院でも与野党の税制担当有力議員らが独自の暗号資産課税法案を準備しているという。


