概要
- ユーロ圏の5月の消費者物価指数は前年同月比3.2%%上昇し、エコノミスト予想と一致した。
- これを受け、来週の欧州中央銀行(ECB)会合では、2023年9月以来初めてとなる政策金利の引き上げが見込まれている。
- ECB当局者は、賃上げ要求、企業の販売価格引き上げ、エネルギーコストの急騰をインフレ要因に挙げ、今後の金利見通しには慎重な姿勢を示している。
期間別予測トレンドレポート



米国・イラン戦争の余波で、ユーロ圏の物価上昇率が2年半ぶりに3%を超えた。これを受け、来週開く欧州中央銀行(ECB)の理事会では利上げがほぼ確実な情勢となった。
欧州統計局は6月2日、5月のユーロ圏の消費者物価指数(CPI)が前年同月比3.2%上昇したと発表した。前月の3.0%上昇を上回り、エコノミスト予想の中央値と一致した。
一方、食品とエネルギーなど価格変動の大きい品目を除くコアインフレ率は、予想を上回る2.5%だった。ユーロ圏で重視されるサービス部門の伸び率も3.5%に急上昇した。暫定統計によると、5月のエネルギーコストは前年同月比10.9%上昇し、月間の上昇幅としては過去最大を記録した。
このため、来週のECB理事会では2023年9月以来初めて政策金利を引き上げる公算が大きい。
ECB当局者は主に、労働者の賃上げ要求と企業の販売価格引き上げをインフレの主因として警戒している。ただ、米国・イスラエルとイランの戦争が長期化しており、こうした結果は避けられないとみている。
もっとも、ECBの政策担当者は6月以降の金利見通しにはなお慎重だ。中東戦争の影響でユーロ圏の成長基調が打撃を受けているためだ。欧州の5月の企業活動は、2023年以降で最も速いペースで縮小した。
ECB専務理事会メンバーの中でも最もタカ派とされるイザベル・シュナーベル氏は6月1日、「何回の利上げが必要になるかを具体的に論じるのはまだ早い」との認識を示した。リトアニアのゲディミナス・シムクス氏は、2回の利上げの可能性が高いと述べたが、具体的な時期には触れなかった。
フィンランドのオリ・レン財務相は「インフレ期待は今のところ安定を保っている」と述べた。そのうえで「物価上昇を抑えるには6月中の対応が必要だ」と強調した。
戦争に伴うエネルギーコストの急騰を受け、5月の物価上昇率はフランスが2.8%、イタリアが3.3%、スペインが3.6%だった。一方、ドイツは2.7%に鈍化した。
キム・ジョンア客員記者 kja@hankyung.com

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