概要
- 米国はイランに「最終提案」を示し、拒否した場合は空爆再開や軍事攻撃の可能性があると警告したと伝えた。
- トランプ大統領と軍・情報当局は連休の予定を取りやめ、中東地域の駐留部隊や海外基地の警戒態勢に入ったと明らかにした。
- 外交交渉は膠着しているが、今後24時間が戦争終結と軍事作戦を巡る重大な分岐点になり得ると伝えた。
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米国はイランへの軍事行動再開の可能性を残したまま、土壇場の交渉の行方を見極めている。ドナルド・トランプ大統領は国家安全保障を担う高官らとの会議を開いた後、長男の結婚行事への出席を含む連休中の私的日程を取りやめ、ホワイトハウスに残る方針に切り替えた。米政府や軍・情報当局の関係者も週末の予定を空けており、ワシントンではイランとの交渉が重大局面を迎えている。
安保会議後に私的日程を中止
アクシオスやCBSニュースによると、トランプ大統領は5月22日、イランが米国の「最終提案」を受け入れなければ、空爆を再開する案を検討している。米国は5月20日に提案をイラン側に示し、応じなければ軍事攻撃を再開し得ると警告したという。
トランプ大統領は同日午前、J・D・バンス副大統領、ピート・ヘグセス国防長官、ジョン・ラトクリフ中央情報局(CIA)長官、スージー・ワイルズ大統領首席補佐官らが出席する国家安全保障高官会議を開いた。会議ではイランとの交渉状況に加え、協議が決裂した場合の対応策を話し合ったもようだ。
マルコ・ルビオ国務長官は欧州出張中で、ダン・ケイン統合参謀本部議長は海軍兵学校の卒業式出席のため会議を欠席した。
アクシオスは関係者の話として、トランプ大統領がここ数日、イランとの交渉に強い不満を募らせてきたと報じた。5月19日にベンヤミン・ネタニヤフ・イスラエル首相と電話協議した時点では外交的解決を重視していたが、その後は空爆再開に傾いたという。
側近の一人は、トランプ大統領が戦争終結に向けた最後の「決定的」な大規模軍事作戦の可能性にも言及したと明らかにした。ただ、実際に空爆再開を決断したことを示す確たる兆候は出ていない。
トランプ大統領は同日、「イランは合意を切望している」と語り、なお情勢を見極める考えを示した。
軍・情報当局も待機態勢
米国は5月25日の戦没将兵追悼記念日(メモリアルデー)を前に、5月23日から3連休に入る。ただ、政府内外の緊張は高まっている。トランプ大統領は当初、同日夕にニューヨークで演説した後、ニュージャージー州のゴルフ場で連休を過ごす予定だったが、ホワイトハウスに戻ることにした。
トランプ大統領は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、「政府に関わる状況、そして合衆国に対する私の愛」のため、今週末にバハマで開かれる長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏とベッティーナ・アンダーソン氏の結婚行事に出席できなくなったと明らかにした。そのうえで「この重要な時期にワシントンのホワイトハウスにとどまることが重要だと感じる」と書き込んだ。
軍と情報分野の関係者も連休中の私的日程を取りやめた。中東駐留部隊の交代時期と重なるなか、イランの報復に備え、海外基地の招集名簿の更新を始めたという。
米国とイランは4月8日から一時停戦に入っている。双方は合意に向けた間接協議の時間を確保するため、互いへの攻撃を控えてきた。
ホワイトハウス報道担当のアナ・ケリー氏はCBSニュースに対し、イランによる核兵器保有や濃縮ウラン在庫の維持は受け入れられないというのがトランプ大統領の立場だと説明した。ケリー氏は「大統領は常にあらゆる選択肢を維持している」としたうえで、「最高司令官が下すいかなる決定でも実行できるよう備えるのが国防総省の任務だ」と強調した。
土壇場の仲介でも協議は難航
戦争再開を防ぐための仲介も続いている。アシム・ムニール・パキスタン陸軍参謀長は同日、テヘランに到着した。カタール代表団も仲介支援のため加わった。
ムニール参謀長は5月23日、イランの意思決定の中枢人物の一人とされるイスラム革命防衛隊(IRGC)のアフマド・バヒディ司令官と会談する予定だ。
ただ、交渉は難航している。外交協議の報告を受けた米政府当局者は交渉を「苦痛だ」と表現した。目立った進展がないまま、草案のやり取りだけが繰り返されているという。
イランも従来の立場を崩していない。イラン外務省は5月22日、協議は進んでいるが、合意が差し迫った状況ではないと説明した。IRGC系の半官半民メディア、タスニム通信も交渉団関係者の話として、「争点を巡る協議はなお続いており、最終結果はまだ出ていない」と報じた。
この関係者は、現在の交渉の焦点はあくまで「戦争終結」にあると主張した。この問題が解決するまで、ほかの案件は協議しない考えだという。
アクシオスは、イランとの交渉に関与した関係者の話として、今後24時間以内に突破口が開かれる可能性はなお残っていると伝えた。ただ、予想外の進展がなければ、トランプ大統領が軍事作戦に動く公算が大きいとしている。
ホン・ミンソン 韓経ドットコム記者 mshong@hankyung.com

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