原油高と4月CPI受け米株安、債券にも売り
概要
- 原油価格が1バレル=101ドルを突破し、CPIでもエネルギー価格の上昇が示されたことを受け、ニューヨーク株式市場と債券市場で同時に売りが出たと伝えた。
- 米国のCPIが3.8%%上昇し、コアCPIも2.8%%上昇したことでインフレ懸念が強まり、S&P500、ナスダック、ダウ工業株30種平均がそろって下落したと伝えた。
- 市場関係者は、高いエネルギー価格とインフレを背景にFRBの利下げの可能性は低下しており、今後は企業業績が相場を左右するとの見方を示した。
期間別予測トレンドレポート


4月CPI受け債券売りが拡大
韓国株の影響も波及、半導体株は下落に転じた

5月12日のニューヨーク株式市場は、原油高と4月の米消費者物価指数(CPI)の発表を受け、株式と債券がともに売られた。
この日は米原油価格が1バレル=101ドルを上回り、インフレへの懸念が改めて強まった。米国産標準油種のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)6月物は3.7%高の1バレル=101.8ドルで取引された。国際指標の北海ブレント7月物は107.82ドルを付けた。
2年物米国債利回りは4ベーシスポイント(1bp=0.01%)上昇し、3.994%となった。2025年6月以来の高水準に接近した。
前日に過去最高値を付けたS&P500種株価指数は、米東部時間午前10時40分時点で0.7%下落した。人工知能(AI)相場のバロメーターとされてきた韓国市場など、アジアの半導体株安が響き、ナスダック総合株価指数は1.1%安となった。ダウ工業株30種平均も0.6%下げた。
上昇基調が続いていた半導体株も下落に転じた。エヌビディア(NVIDIA)は0.3%安、マイクロン・テクノロジー(Micron Technology)は6%近く下落した。原油高に加え、CPIではエネルギー価格の上昇とイラン戦争に伴う供給混乱の影響が表れた。
4月の米インフレ率は、ガソリンと食品価格の上昇を背景に加速した。賃金上昇率を上回り、すでに苦しむ消費者の負担を一段と重くした。CPIは前年同月比3.8%上昇し、2023年以降で最高となった。食品とエネルギーを除くコアCPIは2.8%上昇した。
シカゴ連銀のオースタン・グールズビー総裁は、今回のインフレ指標について、米経済全体に物価上昇圧力が広がっていることを示し、過熱の兆候である可能性もあると語った。NPRとのインタビューでは「米国はインフレ問題に直面しており、これを必ず引き下げなければならない」と強調した。
モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント(Morgan Stanley Investment Management)のエレン・ゼントナー氏は「コアCPIの上昇は、高いエネルギー価格が経済全体に影響を及ぼしていることを示唆する」と指摘した。そのうえで、米連邦準備理事会(FRB)が利上げに転じることを意味するわけではないが、新たなFRB指導部の下でも直ちに緩和的な金融政策へ転換することはないとの現実を改めて確認させると分析した。
ノースライト・アセット・マネジメント(Northlight Asset Management)のクリス・ザッカレリ氏は、FRBが近く利下げに動く可能性は極めて低いと指摘した。相場上昇に利下げが不可欠というわけではないものの、足元では企業業績が市場を押し上げるうえで重要だと述べた。
一方、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(Goldman Sachs Asset Management)のイノベーターETF部門のティム・アーバノウィッツ氏は、市場はすでに統計発表前の時点で2026年の利下げの可能性を織り込んでいたと分析した。10年物米国債利回りが4.5%を下回って推移する限り、株式市場への悪影響は大きくないと付け加えた。
キム・ジョンア 客員記者 kja@hankyung.com

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