ビットコイン、8万ドル突破も上昇はショートスクイーズ色強く 現物需要の確認必要
概要
- ビットコインは 8万ドル と 200日移動平均線(MA) を上抜けたが、現物取引高 が直近2年で最低水準に落ち込んでおり、上昇の構造は ショートスクイーズ 色が強いと診断した。
- ウィンターミュートは 建玉残高(Open Interest) と ファンディングレート を根拠に、追加の ショートスクイーズ の可能性はあるものの、現物の買い が伴わなければ急速な 価格調整 が起こりうると分析した。
- ウィンターミュートは 現物ビットコインETF、モルガン・スタンレーのビットコインETF、取引所のビットコイン保有量、相対力指数(RSI)、8万5000ドル、実物連動資産(RWA)、AI演算関連トークン、米消費者物価指数(CPI)、ケビン・ウォーシュ氏の米連邦準備理事会(Fed)議長指名手続き を重要変数として挙げた。
期間別予測トレンドレポート



ビットコインが8万ドルを突破し、テクニカル上の抵抗線を上抜けた。ただ、今回の上昇は現物買いよりデリバティブ市場主導のショートスクイーズの影響が大きいと、暗号資産トレーディング会社ウィンターミュート(Wintermute)が分析した。
ウィンターミュートは5月12日公表の市場リポートで、ビットコインが約8万3000ドルまで上昇し、200日移動平均線(MA)を突破したと指摘した。一方で、上昇の構造自体は健全な現物主導のラリーとは距離があるとみている。
今回の上昇局面では、建玉残高(Open Interest)が1カ月で480億ドルから580億ドルへ約100億ドル増えた。
半面、現物取引高は直近2年で最低水準まで落ち込んでいる。
市場では、ショートポジションの清算に伴う強制的な買い戻しがビットコイン相場を押し上げている。
ウィンターミュートは、ビットコインが7万ドルを上回る局面でも市場は上昇を信認せず、ショートポジションが積み上がっていたと説明した。その後に清算が起き、ショートカバーの買いが上昇を加速させたという。
さらに、ファンディングレートもなおショート優位の流れを残しており、追加のショートスクイーズが起きる余地はあるとした。ただ、ショートカバーは確信に基づく買いとは異なるとも指摘した。
長期の流れについては、比較的前向きに評価した。
ウィンターミュートによると、足元では現物ビットコインETFに計6億2300万ドルの資金が流入した。なかでもモルガン・スタンレーのビットコインETFは、設定後最初の1カ月に1日も純流出がなく、1億9400万ドルを集めた。
取引所のビットコイン保有量も7年ぶりの低水準を維持している。
もっとも、短期的には現物需要が回復するかが重要な変数となる。
ウィンターミュートは、ショートスクイーズが一巡した後に現物の買いが続かなければ、価格は再び急速に調整する可能性があると分析した。相対力指数(RSI)も買われ過ぎの領域に入りつつあるという。
8万5000ドルまで上昇する可能性は残るものの、現在の水準では追随買いのリスクに見合うリターンは大きくないと付け加えた。
アルトコイン市場については、市場全体がそろって上昇するより、個別テーマを軸にした選別物色が強まっていると診断した。
ウィンターミュートは、実物連動資産(RWA)トークン化の分野ではセントリフュージ(Centrifuge)が機関投資家の関心を集めていると説明した。AI演算関連トークンも、プラットフォーム利用の増加とデフレ構造への期待を背景に堅調だとした。
あわせて、今週公表される米消費者物価指数(CPI)と、ケビン・ウォーシュ氏の米連邦準備理事会(Fed)議長指名手続きが、市場の変動性を左右する主要材料になる可能性があるとの見方を示した。


