米中間選挙で民主党が上下両院奪還、暗号資産規制強化と立法遅延に懸念
概要
- 米中間選挙で民主党が上下両院を奪還し、暗号資産業界に対する議会の監督が強まり、関連立法が遅れる可能性があると伝えた。
- 民主党の主要人物が暗号資産業界への厳格な規制と消費者保護を重視しており、デジタル資産の市場構造法案の成立は容易ではないとの見方が出ている。
- 暗号資産業界は政界との関係や政治資金支出戦略を見直しており、民主党の調査は業界全体よりもトランプ大統領に関連する特定の企業と取引に集中する可能性があると伝えた。
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米中間選挙で民主党が上下両院を奪還し、暗号資産業界に対する議会の監督が強まる可能性が出てきた。関連法案の成立が遅れる公算も大きい。
コインデスクが11月8日に報じた。11月3日に投開票された中間選挙で、民主党は上院で少なくとも54議席、下院で253議席以上を確保する見通しとなった。2027年1月に発足する新議会では、ドナルド・トランプ大統領に関連する暗号資産事業の調査や、デジタル資産市場構造法案を審議するかどうかが主要な争点として浮上しそうだ。
民主党はトランプ大統領の暗号資産事業と関連企業を重点的に調査する見込みだ。上院常設調査小委員会を率いる予定のリチャード・ブルーメンソール上院議員は、ワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLFI)、トランプ氏のミームコイン発行会社、バイナンス、テザーに資料提出を要求した。2027年1月4日までに要請資料が提出されなければ、召喚状の発付など追加措置に踏み切る可能性も示唆した。
暗号資産関連法案の行方も不透明だ。上院銀行委員長にエリザベス・ウォーレン議員、農業委員長にシェロッド・ブラウン議員が就く可能性が取り沙汰されており、デジタル資産市場構造法案の議会通過は容易ではないとの見方が強い。両議員はいずれも暗号資産業界への厳格な規制と消費者保護を訴えてきた。
下院でも規制強化の動きが見込まれる。下院金融サービス委員長への復帰を目指すマキシン・ウォーターズ下院議員は、トランプ大統領の暗号資産事業に絡む利益相反を防ぎ、消費者と金融システムを守るための立法を進める考えを示した。一方で民主党内では、暗号資産市場構造に関する新たな法案を整備しようとする動きも続いている。
業界内では、政界との関係を組み立て直す必要があるとの声が上がる。ブロックチェーン協会のクリスティン・スミス暫定最高経営責任者(CEO)は「この2年間は共和党が掌握した議会とホワイトハウスを活用して政策を進めてきた」と語った。そのうえで、選挙結果を受けて業界内でも戦略を見直していると説明した。
暗号資産業界の政治資金支出戦略も見直しを迫られそうだ。業界の政治活動委員会(PAC)は今回の選挙に1億7000万ドル(約269億円)超を投じたが、主要な上院選で民主党候補の当選を阻止できなかった。とりわけ、暗号資産に前向きな候補の支援に注力してきたフェアシェイクの政治的影響力や、今後の資金配分の方向に関心が集まっている。
もっとも、民主党による議会掌握が暗号資産産業全体への規制強化に直結するわけではないとの見方もある。ウィンターミュートの政策担当ロン・ハモンド氏は、民主党の調査権限は業界全体よりも、トランプ大統領に関連する特定の企業や取引に集中する可能性が高いと分析した。