円、FRBのタカ派利上げで再び下落 日銀が期待外れなら1ドル=160円も
概要
- FRBの タカ派的な利上げ と追加引き締めの示唆を受け、円安 が再開したと伝えた。
- 日銀が市場の期待に届かなければ、ドル・円相場は 160円 まで急速に円安が進む可能性があると分析した。
- 日銀会合が ハト派的 に受け止められるか、日銀がFRBほど タカ派的な姿勢 を示さなければ、ドル・円相場は 158〜160円台 に向かう可能性があるとした。
期間別予測トレンドレポート



米連邦準備理事会(FRB)のタカ派的な利上げを受け、円相場が再び下落基調に戻った。市場の関心は9月18日の日銀の金融政策決定と、その後の追加利上げに関するシグナルに集まっている。
ブルームバーグが9月16日に報じた。円はFRBの政策決定後、対ドルで一時1%下落し、1ドル=156.42円を付けた。月初には日銀の早期利上げ観測や、円を調達通貨とするキャリートレードの巻き戻しを背景に上昇していたが、その後は再び下げに転じた。
FRBが2023年以降で初めて政策金利を引き上げ、追加の引き締めも示唆したことが円の重荷になった。市場は2027年半ばまでにFRBがさらに3回利上げする可能性を織り込んでいる。このため、日銀が今週利上げしても、日米の金利差が当面大きいまま残るとの警戒感が強まっている。
市場の視線は日銀の利上げ自体よりも、その後の引き締めペースに向かっている。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では0.25ポイントの利上げがほぼ織り込まれている。焦点は、植田和男総裁が政策決定後に追加利上げについてどこまでタカ派的な姿勢を示すかだ。
ACCMリサーチのグレン・イン調査ディレクターは「日本は利上げと同時に、円安を最小限に抑えるためタカ派的なメッセージを打ち出すよう相当な圧力を受けている」と指摘した。そのうえで、日銀が市場の期待に届かなければ、円は短期間で1ドル=160円まで下落する可能性があると分析した。
足元の原油高も、日銀の引き締めを後押しする材料になりうる。SMBC日興証券の丸山倫至チーフ金利・為替ストラテジストは、円安が物価上昇リスクを改めて意識させており、高い原油価格も追加引き締めの根拠になり得ると説明した。
もっとも、今回の利上げによって日本の政策金利は中立金利の推計レンジに入る見通しだ。このため、日銀が0.50ポイントの利上げや連続利上げを示唆する可能性は限られるとの見方もある。丸山氏は、今回の会合がハト派的に受け止められれば、ドル・円相場はまず158円を目指す可能性があるとみる。米金利が日本より速いペースで上昇する流れが続けば、先行きは160円台に再び接近しうると語った。
あおぞら銀行の諸我晃チーフ市場ストラテジストも、単なる利上げだけでは円を支えるには不十分になりかねないとみている。日銀がFRBほどタカ派的な姿勢を示さなければ、円安が再開する可能性があるとして、次の主な節目に1ドル=158.50円を挙げた。
ただ、最近の円急騰局面でキャリートレーダーが損失を被ったうえ、ヘッジファンドの円安賭けも減っている。追加下落のスピードは以前ほど速くならない可能性がある。米国と日本の通貨当局による為替介入の可能性も、円の急速な下落を抑える要因として意識されている。