概要
- アナリストらは、クラリティ法案や規制の明確化よりも、金利と金融政策の環境の方が暗号資産市場の方向性を左右する重要な要因だと指摘した。
- 市場では、FRBの利上げ、現物上場投資信託(ETF)への資金流入、上院で60票を確保せずに進められる規制ルートが現れるかどうかに注目すべきだとした。
- ビットコインが7万8189ドルを回復すれば、規制の不確実性によるディスカウント要因の緩和を示すシグナルになり得るほか、10〜12月期の回復には議会よりも金利環境の悪化回避が重要だと分析した。
期間別予測トレンドレポート



米上院で「クラリティ法案(CLARITY Act)」の成立が見送られ、暗号資産市場は急落した。ただ、市場の中長期的な方向性を左右するのは規制よりも金利環境だとの見方をアナリストが示した。
ザ・ブロックが9月16日に報じたところによると、アークティック・デジタルのリサーチ責任者、ジャスティン・ダネタン氏は「クラリティ法案が上院の壁を越えられなかったのは確かに残念だが、構造的な問題ではない」と語った。現在の価格帯も過去最高値も、クラリティ法案が存在しなかった環境で形成されたと指摘した。
同氏は、暗号資産市場の方向を決めるうえで、規制の明確化よりも金利や金融政策の環境の方が重要だと分析した。今回の採決結果についても、機関投資家は致命的な悪材料というより、規制日程の先送りと受け止めているという。
BTCマーケッツの暗号資産アナリスト、レイチェル・ルーカス氏も「立法はもともと市場を左右する中核的な制約要因ではなかった」と述べた。現在の相場サイクルはナラティブではなく、金利に左右されているとみている。
ルーカス氏は今後の市場で注目すべき点として、米連邦準備理事会(FRB)の想定される利上げが長期的な引き締め局面の始まりなのか、現物上場投資信託(ETF)への資金流入が再び拡大するのか、上院で60票を確保しなくても進められる規制ルートが浮上するのかを挙げた。
さらに、ビットコインが9月15日の始値である7万8189ドル(約1210万円)を回復すれば、規制の不確実性に伴うディスカウント要因が和らいでいることを示す最初のシグナルになり得ると説明した。
クラリティ法案の採決不成立直後、市場は大きく揺れた。ビットコインは24時間で2.85%下落し、7万5756ドル(約1170万円)を付けた。イーサリアム(ETH)は4.5%、エックスアールピー(XRP)は9.2%、ソラナ(SOL)は5.4%それぞれ下落した。
暗号資産関連株の下落率はさらに大きかった。コインベース(Coinbase)は10%超下落し、サークル(Circle)は11.4%急落した。ストラテジー(Strategy)とビットマイン(Bitmine)もそれぞれ5.4%、8.4%下げた。
ルーカス氏は「資本が市場から流出しているのではなく、特定の資産に集中している」と語った。そのうえで「10〜12月期の回復に議会は必須ではない。必要なのは金利環境がこれ以上悪化しないことだ」と強調した。