JPモルガン、ポリマーケットの口座サービス終了 一方でIPO主幹事の獲得競争は継続
期間別予測トレンドレポート



米銀最大手のJPモルガン・チェースが、予測市場プラットフォームのポリマーケットに対する銀行口座サービスを終了していたことが分かった。一方で、将来の新規株式公開(IPO)を見据え、主幹事の座を巡る競争には引き続き加わる構えだ。
8月15日にザ・ブロックが報じたところによると、JPモルガンは2025年10月、ポリマーケットに新たな取引銀行を探すよう求め、従来の口座サービスを打ち切った。ポリマーケットはその後、別の金融機関に口座を移したが、新たな取引銀行の名称は確認されていない。
もっとも、JPモルガンがポリマーケットとの関係を全面的に解消したわけではない。ポリマーケットが今後IPOに踏み切る場合には、上場主幹事として参画する可能性を残している。
実際、JPモルガンは2026年2月、米マイアミで開いた富裕層向けプライベートバンキングのイベントに、ポリマーケットのシェイン・コプラン最高経営責任者(CEO)を招いていた。
ポリマーケット側も、JPモルガンとの関係はなお緊密だと説明する。同社の報道担当者は、複数の法人や運営システム、顧客資金の流れを通じてJPモルガンと緊密かつ活発な関係を維持していると述べた。あわせて、コプランCEOが過去1年間にJPモルガンの主要イベント3件に参加したと明らかにした。
JPモルガンがポリマーケットの口座を終了した当時、ポリマーケットは米国の利用者向けに従来サービスを提供していなかった。ポリマーケットは2022年、米商品先物取引委員会(CFTC)との和解に基づき、140万ドル(約2億2000万円)の制裁金を支払い、米デリバティブ法に適合しない市場を閉鎖した経緯がある。
その後、ポリマーケットは米デリバティブ取引所QCXと清算機関QCクリアリングを1億1200万ドル(約178億円)で買収し、米市場に再参入した。現在は「ポリマーケットUS」を通じて米国事業を運営している。
今回の件は、米金融業界で議論が続く「ディバンキング(debanking)」問題とも重なり、注目を集めている。ディバンキングとは、銀行などの金融機関が特定の顧客に対する金融サービスを制限したり、取引関係を打ち切ったりすることを指す。
JPモルガンは2025年、ストライクのジャック・マラーズCEOやシェイプシフト幹部の口座を閉鎖し、暗号資産業界から同様の批判を受けたことがある。ただ、英フィナンシャル・タイムズとロイターは、ポリマーケットの口座終了が政治的理由によるもの、あるいは規制当局の要請に基づくものだと示す根拠は確認できなかったと伝えた。
一方、ポリマーケットは足元で、企業価値を200億ドル超とする前提で、10億ドル(約1590億円)規模の資金調達を協議していることが分かっている。2025年10月には、ニューヨーク証券取引所(NYSE)を傘下に持つインターコンチネンタル取引所(ICE)が最大20億ドル(約3180億円)を投資する条件で、企業価値90億ドル(約1兆4300億円)の評価を受けていた。
予測市場を巡る規制圧力も強まっている。最近では、ボルティモア市がスポーツ関連の予測商品を問題視し、ポリマーケットと競合のカルシを提訴した。ニューヨーク市議会も、ポリマーケットやカルシなどのマーケティング慣行の調査に着手した。