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独自チェーンで攻勢のロビンフッド、米最大級コインベースと正面対決

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期間別予測トレンドレポート

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写真:ロビンフッド、コインベース
写真:ロビンフッド、コインベース

コインベース(Coinbase)とロビンフッド(Robinhood)が、米暗号資産業界で激しく競り合っている。

両社とも暗号資産の売買を手掛けるが、出発点は異なる。コインベースはビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの取引を主力に成長した。一方、ロビンフッドは株式や上場投資信託(ETF)、オプションといった伝統金融商品の売買を基盤に事業を拡大してきた。

ただ、2026年に入って伝統金融と暗号資産市場の融合が本格化し、両社は同じ市場でぶつかる構図になった。

両社の動きにもそれがにじむ。コインベースは年初、「あらゆる資産を取引できる取引所(everything exchange)」の構築を目標に掲げた。ロビンフッドは7月上旬、独自ブロックチェーン「ロビンフッド・チェーン」を立ち上げ、暗号資産事業を広げる姿勢を鮮明にした。

ハナ証券のイ・ジュノ研究員は「ロビンフッドは単なる取引プラットフォームを超え、トークン化株式やETF、実物資産の流通まで包摂するスーパーアプリへ進化している」と分析した。コインベースと事実上、同じ市場で競う構図ができたとも指摘した。

業績・株価は明暗

本格競争を前に公表された2026年1〜3月期決算では、ロビンフッドがコインベースを上回ったとの評価が多い。

ロビンフッドが4月に開示した1〜3月期の純売上高は10億6700万ドルと、前年同期比で約15%増えた。純利益は約3%増の3億4600万ドルだった。

一方、コインベースの1〜3月期純売上高は13億ドルと、前年同期比で約30%減った。減収の影響は利益面にも及び、同社は同四半期に3億9410万ドルの純損失を計上した。

1〜3月の暗号資産市場が低調だったことが、両社の業績差につながった。株式など多様な金融商品を扱うロビンフッドは暗号資産部門の減収を補えた半面、暗号資産取引が中核事業のコインベースは不振を避けにくかった。

業績の差は株価にも表れた。ヤフーファイナンスによると、ロビンフッド株は7月15日に前日比1.84%高の115.54ドルで取引を終えた。年初来の上昇率は0.3%にとどまる。

ただ、3月末に付けた年初来安値の終値65.16ドルと比べると、77%以上上昇した。2026年3月まで続いた下落分の大半を、約3カ月で取り戻した計算になる。

一方、コインベース株は前日比3.54%高の167.21ドルで引けた。それでも年初に記録した236.53ドルと比べると、29%以上安い。3月末の年初来安値160.79ドルとの比較でも、上昇率は約4%にとどまる。

ロビンフッド・チェーン、Base揺さぶるか

写真:ロビンフッド
写真:ロビンフッド

両社の本格的な競争は、ブロックチェーン分野で繰り広げられる公算が大きい。ロビンフッドが独自チェーンを投入したことで、コインベースのブロックチェーン「Base」に挑戦状を突き付けた格好だ。

イ研究員は、Baseとロビンフッド・チェーンはいずれも利用者を自社のエコシステム内につなぎ留める戦略だと説明した。今後はチェーンを軸に利用者獲得競争が本格化するとの見通しを示した。

ロビンフッド・チェーンは、アービトラム(ARB)を基盤に構築したイーサリアムのレイヤー2ブロックチェーンだ。既存のアプリとウォレットの利用者を同チェーンへ誘導し、さまざまな分散型金融(DeFi)サービスを単一のエコシステムで提供するのがロビンフッドの構想である。

立ち上がりの反応は強い。米投資銀行バーンスタインによると、ロビンフッド・チェーンはメインネット公開後の最初の1週間で、分散型取引所(DEX)の取引高が約31億ドルに達した。主要ブロックチェーンで上位5位圏に入る規模だ。

ロビンフッド・チェーンの勢いを象徴するのが、チェーン上で最初のミームコインとなったキャッシュキャット(CASHCAT)である。キャッシュキャットは発行から約10日で時価総額が2億ドルを超えた。足元では上げ幅を大きく縮めて0.1ドルで取引されているが、それでも発行価格比では約1万2000%高い水準にある。

もっとも、エコシステムの厚みではBaseが先行する。DeFiLlamaによると、7月16日時点でBaseには1023のDeFiプロトコルが登録されている。DeFiの総預かり資産(TVL)は約45億8500万ドルだった。

これに対し、ロビンフッド・チェーンの登録プロトコル数は62、TVLは約1億9060万ドルにとどまる。TVLだけを比べると、Baseはロビンフッド・チェーンの約24倍だ。

ただ、チェーンの活性度ではロビンフッド・チェーンがBaseを急速に追い上げている。過去24時間のDEX取引高は約7億9750万ドルだった。Baseの約8億7990万ドルとの差は1億ドル程度にすぎない。立ち上げ時期を踏まえれば、両者の差は急速に縮まっている。

新規事業でも火花

新規事業を巡る競争も激しい。焦点の一つが、2026年に暗号資産分野で最も注目を集める実物資産連動型トークン(RWA)だ。RWAは株式やコモディティーなどの実物資産をブロックチェーン上でトークン化する技術を指す。

ロビンフッドはすでに2025年6月、欧州で200超の米国株とETFのトークンを投入した。未上場だったスペースXのトークン化株式を取り扱い、市場の関心を集めたこともある。

ただ、ロビンフッドのトークン化株式は株式そのものの権利を付与しない。このため、保有者は対象企業の議決権を行使できない。

コインベースは追い上げに動く。Baseは7月8日、トークン標準「B20」をメインネットに適用した。B20はステーブルコインやトークン化株式など多様な資産を、より容易に発行できるよう設計した技術標準である。Baseをトークン化資産の発行インフラへ育てる狙いがある。

実際、コインベースは6月、海外利用者向けに株式を1対1で保有できるトークン化株式サービスを始めると明らかにした。配当支払いや株主の権利まで反映した実際の持ち分所有権を提供する点が、ロビンフッドとの違いである。

ステーブルコインも主要な競争分野だ。この分野ではコインベースが明確に優位に立つ。とりわけ同社はサークル(Circle)の流通パートナーを担っている。サークルの準備資産の運用益をコインベースが分け合う仕組みで、同社が1〜3月期に3億ドルを超えるステーブルコイン関連収益を計上できた背景となった。

ロビンフッドが押し出すステーブルコインはUSDGである。USDGはパクソス(Paxos)がシンガポールで発行したステーブルコインだ。流通量ベースの時価総額は約32億ドルで、サークルの約700億ドルに大きく及ばない。ただ、ロビンフッド・チェーンの成長が続けば、USDGも市場シェアを速いペースで高める可能性がある。

#トークン化資産
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