ウォール街銀、スペースXはなお上昇と強気 目標株価は最大300ドル
概要
- ウォール街の主要投資銀行は、スペースXに対して一斉に目標株価の引き上げと買い・オーバーウエート判断を示した。
- モルガン・スタンレー、ドイツ銀行、シティグループ、UBS、BofA、JPモルガンは、200〜300ドルの目標株価と最大900ドルの長期見通しを打ち出した。
- 一方、モルガン・スタンレーは75〜600ドルの適正株価レンジを、ゴールドマン・サックスは2700億ドルの追加資金調達の必要性をリスク要因として指摘した。
期間別予測トレンドレポート



スペースXの新規株式公開(IPO)に参加したウォール街の主要投資銀行が初の調査リポートをそろって公表し、一斉に強気の見方を示した。
英フィナンシャル・タイムズ(FT)が7月7日に報じたところによると、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)、モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)、UBSなどスペースXのIPO主幹事は、ロックアップ期間の終了後で初めて投資判断を公表した。スペースX株は先月の公募価格135ドルから一時225ドルまで上昇したが、足元では151ドル前後で取引されている。
モルガン・スタンレーは投資判断を「オーバーウエート」とし、目標株価を300ドルに設定した。ドイツ銀行(Deutsche Bank)も「買い」と255ドルの目標株価を示し、「スペースXは人類を多惑星種にするため、歴史の軌道を変えつつある」と評価した。
シティグループ(Citi)は年末の目標株価を200ドルとしたが、スターシップの開発が順調に進めば、長期的には900ドル超も可能だと見込んだ。スターシップが商用化されれば宇宙経済を開く中核インフラが整い、スペースXが数兆ドル規模の新市場を先取りできるという見立てだ。
UBSは再利用型ロケットとスターリンクをスペースXの最大の競争力に挙げ、目標株価を210ドルに設定した。あわせて、AIチャットボット「グロック(Grok)」とAIコーディングのスタートアップ「カーソル(Cursor)」を通じ、AI事業の競争力も高まるとみている。バンク・オブ・アメリカ(BofA)は目標株価を235ドルとし、スペースXの将来価値は宇宙産業の成長可能性を織り込んだ「オプション価値」を考慮する必要があると指摘した。
もっとも、各証券会社はリスク要因も挙げた。モルガン・スタンレーは事業の進捗次第で適正株価の範囲を75〜600ドルと示した。ゴールドマン・サックスは、2026〜2030年の事業計画の推進に約2700億ドルの追加資金調達が必要になると試算した。
JPモルガン(JPMorgan)は目標株価を225ドルとし、「イーロンはただ1人しかいない」として、マスク氏のリーダーシップを中核の競争力と位置づけた。スペースXは最近、ナスダック100指数にも早期に組み入れられており、これに連動するパッシブ資金の追加流入も期待されている。