概要
- ドナルド・トランプ米大統領が暗号資産事業で数億ドルの収益を得ていたことが、資産開示資料で明らかになった。
- 米議会で審議中のCLARITY法案に、大統領・副大統領・連邦議員が在任中に暗号資産で私的利益を得ることを禁じる強力な倫理規定を盛り込むべきだとの要求が、与野党の双方から出ている。
- 今回の資産開示には、トランプ大統領の家族が設立したDeFiプロジェクトと、メラニア・トランプ夫人のNFT販売による約600万ドルの収入が含まれた。
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ドナルド・トランプ米大統領が暗号資産事業で数億ドルの収益を得ていたことが資産開示資料で明らかになり、米国の暗号資産市場制度を定める「CLARITY法案」に倫理規定を盛り込むべきだとの声が強まっている。
暗号資産メディアのザ・ブロックが7月1日に伝えたところによると、トランプ大統領の927ページに及ぶ資産開示資料には、家族が設立した分散型金融(DeFi)プロジェクトのワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLFI)など、暗号資産事業で得た多額の収益が記載されていた。
米議会は現在、暗号資産を巡る初の包括的な規制枠組みを盛り込んだCLARITY法案を審議している。与野党の協議では、大統領や副大統領、連邦議員などの公職者が在任中に暗号資産を通じて私的利益を得ることを禁じる倫理条項も議論している。
民主党は、トランプ大統領の資産開示を受け、倫理規定の必要性を改めて訴えた。アンジェラ・オルソブルックス民主党上院議員は「大統領と副大統領、そしてすべての公職者に適用される倫理規定を含む法案がどうしても必要だ」と述べたうえで、「米国民は腐敗や制度の悪用ではなく、公正で誠実な形でデジタル資産の恩恵を受けるべきだ」と強調した。
カーステン・ギリブランド民主党上院議員も、大統領や副大統領、連邦議員が暗号資産を通じて個人的利益を得られないようにする強力な超党派の倫理改革案を引き続き協議していると明らかにした。大統領を含め、いかなる政治家も公職を利用して私的利益を得るべきではないと指摘した。
代表的な暗号資産批判派のエリザベス・ウォーレン民主党上院議員は、CLARITY法案は大統領や副大統領、議員だけでなく、その家族が暗号資産業界から利益を得ることも防ぐ必要があると主張した。そうでなければ、トランプ大統領の露骨な暗号資産を巡る腐敗をさらに拡大させることになると警告した。
共和党内でも、倫理条項の導入には一定の理解が広がっている。シンシア・ルミス共和党上院議員は、CLARITY法案には党派を問わず、いかなる選挙で選ばれた公職者も自身の地位を利用して暗号資産で利益を得られないようにする強力な倫理規定が盛り込まれると語った。「倫理と暗号資産に懸念があるなら、この法案の成立に向けて協力してほしい」と呼びかけた。
一方、トランプ大統領は資産開示を巡る論争について、自身の資産はブラインド・トラストで運用されており、直接関与しておらず、運用会社とも協議していないとして、利益相反への懸念を否定した。
今回の資産開示には、メラニア・トランプ夫人による非代替性トークン(NFT)販売の収益も含まれた。メラニア夫人は2025年、NFT販売で約600万ドルの収入を得ていたことが示された。