トランプ氏、量子計算の大統領令に署名 2030年までに耐量子暗号へ移行
概要
- トランプ大統領が、量子コンピューティング技術の育成と安全保障上の脅威への対応に向けた 大統領令14409号・14411号 に署名したと伝えた。
- 米政府は、2030年末までに主要システムの 暗号鍵体系 を、2031年末までに デジタル署名体系 を 耐量子暗号(PQC) ベースに移行しなければならないと明らかにした。
- 今回の措置を受け、ビットコイン(BTC) や イーサリアム(ETH) など 暗号資産(仮想通貨) ブロックチェーンが、将来の 量子コンピューター の発展に伴う セキュリティー上の脅威 と Q-Day への懸念に直面しているとの分析が示された。
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ドナルド・トランプ米大統領は、量子コンピューティング技術の育成と安全保障上の脅威への対応に向けた2本の大統領令に署名した。
米暗号資産メディアのザ・ブロックが6月23日に報じた。トランプ大統領は前日、「高度な暗号攻撃から国家を守る(Securing the Nation Against Advanced Cryptographic Attacks)」と「量子イノベーションの新時代を切り開く(Ushering In the Next Frontier of Quantum Innovation)」を柱とする大統領令14409号と14411号を発動した。
14409号は、大規模な量子コンピューターが既存の暗号体系を無力化する可能性への対応に焦点を当てた。連邦政府機関に対し、米国立標準技術研究所(NIST)が承認した耐量子暗号(PQC)標準へ重要情報システムを切り替えるよう指示した。
これに伴い、米政府は2030年末までに主要システムの暗号鍵体系をPQCに移行し、2031年末までにデジタル署名体系も耐量子暗号ベースに置き換える必要がある。NISTは180日以内に実証事業に着手し、2027年末までに完了する予定だ。
今回の措置は、暗号資産業界にも影響を及ぼす見通しだ。ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など主要ブロックチェーンは現在、公開鍵暗号技術に依存しており、将来の量子コンピューターの発展に伴ってセキュリティー上の脅威にさらされる懸念が指摘されてきた。
実際、コインベース傘下の量子コンピューティング諮問委員会は最近、約700万BTCが将来的に量子攻撃にさらされる可能性があると分析した。セキュリティー企業のプロジェクト・イレブン(Project Eleven)も、現代の暗号体系が無力化される「Q-Day」が2030年ごろに到来するとの見通しを示した。
一方、14411号は米国の量子技術の競争力強化に向けた工程表を盛り込んだ。量子コンピューターや量子センサーの開発、供給網の構築、専門人材の育成を進める。科学研究と産業分野で量子技術の活用を広げることが柱となる。

