概要
- 国際原油価格が、米国とイランのホルムズ海峡再開放合意への期待を背景に、WTIベースで4営業日で約16%%急落し、3カ月ぶりの安値水準を付けた。
- 市場では、イラン産原油の輸出再開により、中東原油の供給正常化と戦争プレミアムの解消への期待が強まり、世界のエネルギー市場で供給不足への懸念が和らいでいる。
- もっとも、米国の原油在庫減少とクッシング拠点の在庫減少が続くなか、先物市場は原油供給再開の可能性を先んじて織り込みつつあり、海上交通の流れが正常化するまでには少なくとも1カ月かかる可能性がある。
期間別予測トレンドレポート



国際原油価格が、米国とイランによるホルムズ海峡の再開放合意への期待を背景に、3カ月ぶりの安値水準まで下落した。
ブルームバーグが6月16日に報じた。米国産標準油種のWTIは1バレル77ドルを下回って推移し、4営業日続落した。この4営業日の下落率は約16%に達し、今年に入って最長の下落局面となった。北海ブレントも1バレル79ドルを下回って取引を終えた。
相場下落の背景には、米国とイランが6月19日に締結する予定の暫定合意がある。合意案にはホルムズ海峡の再開放に加え、イランの原油輸出再開を認める内容が盛り込まれたもようだ。
市場では、中東産原油の供給が正常化すれば、世界のエネルギー市場で意識されてきた供給不足懸念は和らぐとみている。ここ数週間続いていた戦争プレミアムも、足元で急速に解消している。
もっとも、実際に供給が正常化するまでには時間を要する可能性がある。
BOKファイナンシャル証券のデニス・キスラー上席副社長は「大半のトレーダーは、米海軍が当初の数週間はタンカーの護衛を担い、機雷除去作業も並行して進めるとみている」と述べた。そのうえで「少なくとも1カ月程度は、海上交通の流れが完全には正常化しない可能性が高い」と指摘した。
さらにキスラー氏は「先物市場は常に将来を先回りして織り込む」と語った。足元の市場については、原油供給再開の可能性を次第に強く織り込みつつあるとの認識を示した。
一方、供給拡大期待とは対照的に、原油在庫は減少が続いている。米石油協会(API)は、先週の米原油在庫が約830万バレル減ったと推計した。オクラホマ州クッシングの原油集積拠点の在庫も大幅に減少した。
米エネルギー情報局(EIA)が公表する週間の原油在庫統計は、6月16日に発表される予定だ。


