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ジェローム・パウエル前米連邦準備理事会(FRB)議長が、中央銀行の独立性を損なう動きに懸念を示した。
ブルームバーグによると、パウエル前議長は5月31日(現地時間)、ボストンのジョン・F・ケネディ(JFK)大統領図書館で開かれた「プロファイル・イン・カレッジ(Profile in Courage)」賞の授賞式で演説し、「大統領が政策上の意見の違いを理由にFRB人事を解任できるようになれば、中央銀行の信認は崩れる」と述べた。
さらに、ある政権が政策の相違を理由にFRB人事を解任する前例をつくれば、その後の政権も同じ行動を繰り返すと指摘した。国民はFRBが米国全体の利益ではなく、政治的な目的に沿って意思決定していると受け止めるようになるとも語った。
パウエル前議長は、FRBへの信認は数十年かけて築かれてきた資産だと強調し、「将来世代のために、この貴重な資産を守る義務がある」と訴えた。
今回の発言は、ドナルド・トランプ米大統領がリサ・クックFRB理事の解任を進める中で出た。トランプ大統領は、クック理事が住宅ローンに関する詐欺疑惑に関与したと主張しているが、クック理事は否定している。
クック理事の職位維持の是非は現在、米連邦最高裁判所で審理中だ。
パウエル前議長は、FRBの法的独立性は金融政策を政治的圧力から守るために設計されたものだと改めて説明したうえで、「法の支配への敬意は、米国を定義する中核原則だ」と述べた。
ブルームバーグは、今回の発言をトランプ政権に向けた新たな公開批判と位置づけた。パウエル前議長は在任中、利下げを求め続けたトランプ大統領と継続的に対立してきた。
パウエル前議長は今年、FRBの独立性を守った功績を評価され、JFK財団の「プロファイル・イン・カレッジ」賞の共同受賞者に選ばれた。


