SEC委員、トークン化株の容認範囲は限定的との見方
概要
- ヘスター・ピアースSEC委員は、イノベーション免除が限られた範囲で適用される可能性が高いと述べた。
- 実際の株式を保有しない合成型トークンや、第三者が発行する株価連動型トークンの事業モデルは、規制の対象となる公算が大きくなった。
- 株式トークン化が広がれば、複数のブロックチェーン基盤に流動性が分散し、スリッページの拡大などで市場効率が低下する可能性があると説明した。
期間別予測トレンドレポート



米証券取引委員会(SEC)が株式のトークン化取引を認める「イノベーション免除(innovation exemption)」の枠組みを公表するとの観測が広がるなか、認められる商品の範囲は市場の期待ほど広がらない可能性が出てきた。
5月22日付のコインテレグラフによると、ヘスター・ピアースSEC委員はX(旧ツイッター)で、イノベーション免除について「限られた範囲で適用される可能性が高い」と述べた。現在の投資家が既存の株式市場で取引できるのと同じ原株を、デジタル形式で表した商品に限って認められるとの見通しも示した。
実際の株式を保有せず、価格だけを連動させる合成型(synthetic)トークンは、許容対象から外れる可能性が高い。第三者が発行する株価連動型トークンの事業モデルも、規制の対象となる公算が大きくなった。
ブルームバーグはこれに先立ち、SECが早ければ今週中にも、株式のトークン化取引を認めるイノベーション免除の枠組みを公表する予定だと報じた。この案には、企業の承認がなくても第三者がアップルやテスラなどの上場株をトークン化できる内容が含まれているという。
一方、業界では株式トークン化が流動性の分散を招くとの懸念もある。ユン・スンシク氏(タイガーリサーチ取締役)は、これまではニューヨーク証券取引所(NYSE)やナスダックなどの中央集権型取引所に売買が集中していたが、株式トークン化が広がれば、同じ資産が複数のブロックチェーン基盤で個別に取引され、流動性が分散しうると説明した。
流動性が分散すれば、プラットフォームごとに価格差が生じ、大口取引時のスリッページ(約定誤差)も拡大しかねないと指摘した。市場の効率性が低下する可能性があるうえ、既存の取引所が独占してきた仲介手数料や金融収益が、グローバルなブロックチェーン基盤へ移る可能性もあると付け加えた。

Bloomingbit Newsroom
news@bloomingbit.ioFor news reports, news@bloomingbit.io
